系統用蓄電池の制度の動き【2026年10月更新】主な変更点と締切

※内容は更新日の時点の情報です。

2026年10月の主な変更は次の4つで、項目を押すと詳しい説明に移れます。

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目次

2026年10月の主な動き

10月の変更で影響が大きいのは、系統連系の申込みに土地の権利の書類が必要になったことです。

1.系統連系の申込みに土地の権利の書類が必要

2026年10月1日以降に契約申込みを受け付ける案件から、高圧以上で連系する非FIT・非FIPの発電等設備は、事業用地の使用権原を証する書類の提出が要件になりました。
系統用蓄電池も対象で、書類は原則として土地の登記簿謄本です。
国の審議会で整理されたルールを各一般送配電事業者が約款に反映したもので、連系承諾から2か月以内に提出しないと連系予約が取り消されます(関西電力送配電の約款)。
低圧の扱いは引き続き検討中です。

土地の権利の書類と用地の条件は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の土地に必要な広さ・設置の条件と土地を貸す場合の注意点
関連記事:系統用蓄電池に適した土地とは?設置条件・変電所との距離・探し方を解説

※参照:託送供給等約款の認可について(2026年7月22日)|関西電力送配電
※参照:発電設備等の契約申込みにおける事業用地の使用権原の提出要件化について(2026年9月30日)|北海道電力ネットワーク
※参照:発電設備等に関する系統アクセスの流れの更新について(2026年9月28日)|電力広域的運営推進機関

2.国の補助金の締切は11月4日

国の「系統用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)」は、2026年9月4日から公募が始まり、締切は2026年11月4日17時必着です。
窓口のSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ。国の補助金の執行団体)は、9月8日に申請書類と交付申請の手引きを、9月18日に公募説明動画を公開しました。
交付申請は、補助金の交付を正式に求める申請です。

補助率・上限額と申請の流れは、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の補助金一覧|公募中の制度・補助率・申請方法を解説

※参照:令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

3.需給調整市場の上限価格が10円に

需給調整市場(電気の需要と供給のずれを埋める「調整力」を取引する市場)では、一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限価格が、2026年9月1日の実需給分から1ΔkW・30分あたり15円から10円に下がりました。
10円は「当面の間」の上限で、電力需給調整力取引所は審議会などの結果で変わる場合があるとしています。

商品ごとの上限価格と市場の仕組みは、下記記事で解説しています。
関連記事:需給調整市場とは?仕組みや参加するメリットをわかりやすく解説

※参照:需給調整市場のΔkW上限価格について(2026年7月30日)|電力需給調整力取引所

4.長期脱炭素電源オークションの参加登録が10月13日に開始

長期脱炭素電源オークション(脱炭素電源の新設などを対象に、長期の収入の見通しを確保するための入札)は、応札年度2026年度の参加登録が2026年10月13日に始まりました。
事業者情報の登録は10月16日で締め切られ、電源等情報の登録も10月19日から行われ、10月23日で受付を終えました。
続いて、期待容量(供給力として見込める容量)の登録が12月9日から15日までです。
応札は2027年1月19日から26日までで、応札のあとに、期待容量と応札容量の計算の元になる数値の一覧(期待容量等算定諸元一覧)を1月27日から2月3日までに登録します。
約定結果は、応札の受付終了から3か月後を目途に2027年度に公表される予定で、電力・ガス取引監視等委員会による応札価格の監視の状況によって前後する場合があります。
日程は電力広域的運営推進機関が10月9日に公表し、業務マニュアル(参加登録・応札・容量確保契約書の締結編)は9月30日に公表済みです。

長期脱炭素電源オークションの仕組みと応札の要件は、下記記事で解説しています。
関連記事:長期脱炭素電源オークションとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

※参照:容量市場 長期脱炭素電源オークション(応札年度:2026年度)参加登録・応札等のスケジュールについて(2026年10月9日)|電力広域的運営推進機関
※参照:「容量市場業務マニュアル 長期脱炭素電源オークション 参加登録・応札・容量確保契約書の締結編(応札年度:2026年度)」の公表について(2026年9月30日)|電力広域的運営推進機関

受付中の制度と締切

2026年10月25日時点で受付中の制度と締切。国の補助金は11月4日17時必着
受付中の制度と締切(出典:SII。2026年10月25日時点)

2026年10月25日時点で、申込みや手続きの期限が決まっているものは次のとおりです。

制度内容期限・日程対象詳しい記事
系統用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)国の補助金。補助率・上限額は補助金一覧で確認2026年11月4日17時必着高圧・特別高圧(最大受電電力1,000kW以上)補助金一覧

長期脱炭素電源オークション(応札年度:2026年度)の電源等情報の登録は、10月23日で受付を終えました。
東京都の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」は、令和8年度分の受付が2026年9月30日17時で終了しました。
FIP転と併設する蓄電池向けの国の補助金(令和7年度補正 再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業)も、2026年5月29日12時に締め切られた1次公募の結果をもって終了しています。

※参照:容量市場 長期脱炭素電源オークション(応札年度:2026年度)参加登録・応札等のスケジュールについて(2026年10月9日)|電力広域的運営推進機関
※参照:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」令和8年度助成事業を開始します(2026年3月30日)|東京都
※参照:令和7年度補正 再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

制度ごとの現状

制度ごとの2026年10月時点の状況と、仕組みを解説した記事は次のとおりです。

補助金(国・自治体)

この記事で取り上げている系統用蓄電池向けの制度では、2026年10月25日時点で国の補助金が公募中で、11月4日17時に締め切られます。
低圧(50kW未満)の系統用蓄電池は、この国の補助金の対象外です。

低圧で使える制度は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の融資と補助金|使える制度・使えない制度と資金調達の方法

需給調整市場

2026年9月1日から一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限価格が10円になりました(主な動き:需給調整市場の上限価格が10円に)。
2026年度からは、連系出力50kW未満の低圧の蓄電池も、アグリゲーター(多数の設備をまとめて市場に出す事業者)を通じて参加できるようになっています。

需給調整市場の仕組みと低圧の参加の条件は、下記記事で解説しています。
関連記事:需給調整市場とは?仕組みや参加するメリットをわかりやすく解説
関連記事:低圧系統用蓄電池とは?仕組み・高圧との違い・注目される理由と注意点を解説

※参照:需給調整市場について(2026年1月23日 第110回 制度検討作業部会 資料4)|資源エネルギー庁

容量市場

容量市場(将来の発電能力に対価を払う市場)は、2027年度に容量を提供する事業者向けの実務説明会が2026年10月14日に開かれました。
これから参入する人に関わる新しい変更は、10月時点ではありません。

容量市場の仕組みは、下記記事で解説しています。
関連記事:容量市場とは?仕組みやオークションに参加するメリットを簡単に解説

※参照:容量市場 実務説明会(リクワイアメント/ペナルティ・容量確保契約金額対応)(対象実需給年度:2027年度)の開催のご案内について|電力広域的運営推進機関

卸電力市場(JEPX)

日本卸電力取引所(JEPX)は取引システムを新しくしています。
当日の直前まで取引できる時間前市場は、2026年10月1日受渡分から新システムに切り替え済みです。
スポット市場(翌日の電気を取引する市場)で並行して動いている旧システムは、2027年3月31日受渡分までとされています。
そのため、JEPXは、それまでに自社でシステムを用意するか、JEPXと接続するシステムの提供事業者と契約するよう案内しています。

卸電力市場の仕組みとJEPXでの取引は、下記記事で解説しています。
関連記事:卸電力市場とは?仕組み・種類をわかりやすく解説
関連記事:系統用蓄電池とJEPXの関係とは?収益モデル・市場の仕組み・注意点を解説

※参照:取引システムの更改について(2026年9月8日)|日本卸電力取引所

長期脱炭素電源オークション

長期脱炭素電源オークションは、応札年度2026年度の募集要綱が2026年9月2日に、業務マニュアルが9月30日に、参加登録と応札の日程が10月9日に公表されました。
日程の中身は、「主な動き:長期脱炭素電源オークションの参加登録が10月13日に開始」にまとめています。
参加を考えている事業者向けの実務説明会は、10月7日に開催済みです。

長期脱炭素電源オークションの仕組みは、下記記事で解説しています。
関連記事:長期脱炭素電源オークションとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

※参照:「容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)」の公表について(2026年9月2日)|電力広域的運営推進機関
※参照:長期脱炭素電源オークション実務説明会(応札年度:2026年度)の開催のご案内|電力広域的運営推進機関

FIP転と併設蓄電池

FIT(固定価格買取)からFIPに移行した太陽光発電所では、2025年4月から、併設した蓄電池に系統から充電できるようになりました。
2025年9月からは、FIP移行と蓄電池の設置の手続きを同時に進めると、審査が早くなっています。
併設蓄電池向けの国の補助金(令和7年度補正)は、2026年5月29日に締め切られた1次公募の結果をもって終了しました。

FIP転と蓄電池の併設の手続きは、下記記事で解説しています。
関連記事:FIP転(FIP転換)とは?蓄電池併設のメリット・注意点と手続き

※参照:太陽光発電におけるFIP移行時の蓄電池設置手続に係る審査の迅速化について(2025年8月12日)|資源エネルギー庁

系統連系(接続)

高圧以上は、2026年10月1日から土地の権利の書類が必要になりました(主な動き:系統連系の申込みに土地の権利の書類が必要)。
低圧の申込みでは、東京電力パワーグリッドが出力制御機能付PCS(パワーコンディショナー。蓄電池の直流と系統の交流を変換する装置)等の仕様確認依頼書を2026年8月31日に差し替え、9月8日以降は最新の様式でない申込みを差し戻しています。

高圧以上の接続検討(系統につなげるか、工事費はいくらかを一般送配電事業者に調べてもらう手続き)では、2026年8月から1事業者あたりの申込件数に上限が設けられています。
10月6日の国の審議会では、接続検討料の引き上げと、低圧系統用蓄電池の分割設置(1つの場所に置くべき設備を分けて、低圧の小さな設備として申し込むこと)への対策の見直しが議論されました。
どちらもまだ決まっていません(これから変わる予定)。

高圧の接続検討の流れと、低圧の系統連系の申込みの流れは、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の接続検討|申込みの流れ・費用・期間と件数上限
関連記事:低圧系統用蓄電池の系統連系申請|申込先・流れ・期間・費用を解説

※参照:低圧 新設・増設・減設・設備変更に関するお申込み|東京電力パワーグリッド
※参照:系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について(第13回 次世代電力系統ワーキンググループ 資料2、2026年10月6日)|資源エネルギー庁

規制とセキュリティ

電気事業法の改正法が2026年7月17日に成立し、公布後9か月以内に施行されます(一部の規定を除く)。
系統用蓄電池に関わるのは、現在のスポット市場(翌日市場)に加えて、中長期市場や需給調整市場を開設する卸電力取引所も、経済産業大臣が指定・監督できるようにする点です。
一方、蓄電所の保安の基準そのものを変える内容は、法律の概要には含まれていません。

消防法では、2026年4月3日に危険物の規制に関する政令などが改正され、リチウムイオン蓄電池を屋外に置く設備に特例が設けられました(4月4日施行)。
対象は、リチウムイオン蓄電池の中にある危険物だけをためる屋外貯蔵所(消防法で、危険物を屋外でためる施設の区分)です。
キュービクル式(箱形の外箱に収めた形)の設備にし、柵などの周囲に幅3m以上の空地を取るなどの基準に合えば、屋外貯蔵所の基準の一部が適用されません。

規制の全体と設置の基準は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池にはどんな規制がある?主要規制一覧と注意点を解説
関連記事:系統用蓄電池の設置基準とは?法的・技術的要件と事業化を成功させるポイント

セキュリティでは、国の補助金で、蓄電システムの制御システムを構成する主要な製品に、JC-STAR(IoT製品のセキュリティ対策の水準をラベルで示す国の制度)の★1の適合ラベルが要件になっています。
対象の製品は、BMS(蓄電池の状態を監視・制御する装置)・PCS・EMSなどです。
EMSは、設備全体の運転を管理するシステムを指します。

JC-STARの制度は、下記記事で解説しています。
関連記事:JC-STARとは?系統用蓄電池事業で知っておきたいIoTセキュリティ制度を解説

※参照:「電気事業法の一部を改正する法律案」が成立しました(2026年7月21日)|経済産業省
※参照:危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の公布について(2026年4月3日)|総務省消防庁
※参照:令和8年 通知・通達|総務省消防庁

税制

即時償却が使える中小企業経営強化税制は、2027年3月31日までに設備を取得して事業に使い始めたものが対象です。
即時償却のほか、取得価額の7%(特定中小企業者等は10%)の税額控除を選べます。
系統用蓄電池で使えるかどうかは、事業者・設備の要件と経営力向上計画の認定などの条件によります。
自社の設備が対象になるかは、顧問の税理士にご確認ください。

系統用蓄電池が即時償却の対象になる条件と償却の基本は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池は即時償却できる?適用条件や注意点をわかりやすく解説
関連記事:系統用蓄電池の減価償却をわかりやすく解説|償却期間(耐用年数)や償却方法も紹介

※参照:No.5434 中小企業経営強化税制(令和7年4月1日現在法令等)|国税庁

これから変わる予定

施行日・開始時期が公表されている予定は、次のとおりです。

予定時期対象出典
出力制御の順番の見直し(FITの発電所を先に、FIPの発電所を後に制御する)2026年度末から2027年度末にかけて地域ごとに開始FIP転を検討しているFIT太陽光の持ち主第53回 系統ワーキンググループ 資料1(2024年12月2日)

国が検討中で、まだ決まっていないものは次の表に挙げます。

検討中のこと状況出典
低圧の系統連系の申込みでの土地の権利の書類の扱い高圧以上は10月から要件化。低圧には適用されていない。10月6日の審議会では、低圧向けの当面の対策の1つに、土地の持ち主と事業者の関係を整理することが挙がった北海道電力ネットワーク(2026年9月30日)、第13回 次世代電力系統ワーキンググループ 資料2(2026年10月6日)
接続検討料の引き上げ現在は22万円(税込)/地点。事務局案は、まず系統用蓄電池を対象に全国一律で引き上げる形。金額・方式・時期は未定で、次回以降の審議会で議論第13回 次世代電力系統ワーキンググループ 資料2(2026年10月6日)
低圧系統用蓄電池の分割設置対策の見直し地権者が同じかを確かめる期間を、申込みの年度の1年前までから5年前までに延ばす案と、蓄電設備を分割の例外(異なる種類の設備を接して置く場合)から外す案第13回 次世代電力系統ワーキンググループ 資料2(2026年10月6日)
需給調整市場の上限価格10円は「当面の間」。審議会の結果で変わる場合がある電力需給調整力取引所(2026年7月30日)

更新履歴

更新日主な内容
2026年10月25日受付を終えた長期脱炭素電源オークションの電源等情報の登録を受付中の制度と締切から外して10月25日時点に更新し、規制とセキュリティに消防法の危険物の基準の改正(2026年4月)を追加
2026年10月19日受付中の制度と締切を10月19日時点に更新し、まとめを10月時点でやることの一覧に整理
2026年10月14日長期脱炭素電源オークションの参加登録・応札の日程と、検討中の接続検討料の引き上げ・低圧の分割設置対策の見直しを追加
2026年10月7日公開。系統連系の土地の権利の書類の要件化、国の補助金の締切、需給調整市場の上限価格の引き下げを掲載

系統用蓄電池の制度の動きについてまとめ

2026年10月時点でやることは、次の3つです。

  • 国の補助金:公募要領(補助金の募集の条件と手続きを定めた文書)で自社の設備が対象かを確かめ、11月4日の締切に間に合う段取りを決める
  • 高圧以上の申込み:接続検討料の引き上げが決まるか、次回以降の審議会の結果を確かめる
  • 低圧を複数並べる計画:分割設置の対策の見直しの結果を見て、自分の計画が見直し後の対策の対象になるかを申込みの前に確認しておく

土地・権利をお持ちの方のご相談も受けています。

目次