【2026年最新版】系統用蓄電池の補助金一覧|受付状況・補助率・申請方法を解説

系統用蓄電池(蓄電所)の導入費用は数億円規模になるため、補助金が使えるかどうかは早めに知っておきたいですよね。

ただ、系統用蓄電池の補助金は、国と自治体で制度が別々です。
年度ごとに名称や要件も変わるので、自社の案件にどれが当てはまるのかを見極めるのは簡単ではありません。
2026年に公募された国の補助金と東京都の助成金は、2026年11月5日時点でどちらも受付を終えています。
この記事では、国の補助金を中心に、受けられる額と申請の期限を整理したうえで、対象になる事業者・設備の条件や東京都の助成金の扱いを解説します。

>>系統用蓄電池の補助金一覧【2026年11月版】

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目次

系統用蓄電池の補助金一覧【2026年11月版】

2026年11月5日時点の国と東京都の補助金の受付状況は、次の表のとおりです。

状況制度の名称・実施主体補助率・上限額受付期間
受付終了系統用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)/経済産業省(執行:SII(環境共創イニシアチブ))1/3〜2/3以内・上限10〜40億円2026年9月4日〜11月4日17時必着
受付終了再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業(令和8年度)/東京都(窓口:クール・ネット東京)2/3以内(EVバッテリーのリユースは3/4以内)・上限20億円2026年9月1日〜9月30日17時必着

制度ごとの中身は、次の2つの見出しで説明します。

国の補助金(経済産業省/執行はSII)

国の補助金は経済産業省が予算を持ち、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ。国の補助金の執行を担う団体)が公募から審査、交付までを担当しています。
同じ補助金の中に事業区分が3つあり、系統用蓄電池で申請できるのは「系統用蓄電システム等導入支援事業」の区分だけです。

令和6年度と令和7年度は、水電解装置も対象に含む「系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業」として公募されていたので、この名称で紹介されている公募期間や要件は、今回とは別の事業の情報として読む必要があります。

※参照:令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

東京都の助成金(クール・ネット東京)

東京都の助成金は、東京電力管内の電力系統に直接接続する大規模蓄電池を対象にした都の制度で、申請の窓口は公益財団法人東京都環境公社(クール・ネット東京)です。
国の制度と違って申請できる法人に地域の条件があり、都内に登記簿上の本店または支店がある法人でなければ申請できません。

令和8年度の採択予定は、特別高圧(2,000kW以上)が5件、高圧(2,000kW未満)が6件の計11件と公表されています。
枠は規模で分かれており、高圧の案件の採択予定は6件です。
令和8年度分の受付は9月30日で終わりましたが、クール・ネット東京は、この助成金の申請を令和10年度まで受け付けるとしています。

※参照:再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業|クール・ネット東京
※参照:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」令和8年度助成事業を開始します|東京都

系統用蓄電池の補助金はいくらもらえるか

受けられる額は「補助対象経費×補助率」で決まり、区分ごとの上限額を超えることはありません。
国の補助率と上限額は、蓄電池の種類と規模(最大受電電力)の組み合わせで、次のように定められています。

蓄電池の種類規模補助率上限額
リチウムイオン電池1,000kW以上10,000kW未満1/3以内10億円
リチウムイオン電池10,000kW以上30,000kW未満1/3以内25億円
リチウムイオン電池30,000kW以上1/2以内40億円
リユース蓄電池1,000kW以上1/2以内20億円
長期エネルギー貯蔵技術(LDES)1,000kW以上・6時間容量未満1/2以内20億円
長期エネルギー貯蔵技術(LDES)1,000kW以上・6時間容量以上2/3以内20億円

たとえば最大受電電力1,500kWのリチウムイオン電池の案件は1/3以内・上限10億円の区分に入り、補助対象経費が4億5,000万円なら、国から受けられる額は最大1億5,000万円です。
LDESは、レドックスフロー電池や水電解による水素貯蔵のように、リチウムイオン電池以外の方式で長時間の充放電を行う技術を指します。

試算で気をつけたいのは、見積書の総額がそのまま補助対象経費になるわけではない点です。
対象になるのは実施設計費・設備費・工事費の3つで、基本設計費(設備の配置や容量を決める段階の設計費)や土地の造成・整地・フェンス、受変電設備、系統連系工事、消費税は補助の対象外です。
そのため、見積書を費目ごとに仕分けてから補助率を掛けることになります。
また、補助対象経費は、3者見積(3社以上から取る見積)で最も安かった額が上限です。

さらに、採択は予算の範囲内で行われるため、要件を満たしていても交付額が減ったり不採択になったりすることがあります。

※参照:公募要領(2026年9月)1-9.補助対象経費、1-10.補助率及び補助金限度額、3-2.交付申請、3-6.審査|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

系統用蓄電池の補助金の申請期限はいつまでか

系統用蓄電池の補助金は、国の令和7年度補正が2026年11月4日17時必着で締め切られ、2026年11月5日時点では国・東京都とも受付を終えています。
東京都の令和8年度分の締切は、それより前の2026年9月30日17時でした。
国の次の公募の予定は、2026年11月5日時点でSIIのサイトに示されていません。

国の交付決定(補助金を交付することをSIIが決めること)は、2027年1月上旬以降の予定です。
採択された事業のうち、単年度事業は2027年2月18日までに完了させる必要があります。
単年度で終えるのが難しい事業は、最大3年の複数年度事業(完了期限は2029年1月19日)として申請する仕組みでした。

年度の表記で迷いやすいのが「令和7年度補正」と「令和7年度」の違いで、この2つは別々の公募です。
「令和7年度」は、2025年8月29日から10月24日まで受け付けた回次を指します。
「令和7年度補正」は2025年度の補正予算で組まれた事業で、公募期間は2026年9月4日から11月4日まででした。

2026年11月5日時点でも、令和7年度補正の事業内容と要件を説明する公募説明動画(約48分)がSIIのサイトで公開されています。

次の公募の動きや制度の変更点は、下記記事でまとめています。
関連記事:系統用蓄電池の制度の動き|今月の変更点と締切

※参照:令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:公募説明動画(令和7年度補正)|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:令和7年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

系統用蓄電池の補助金の対象になる事業者と設備

対象になるかどうかは、申請する会社の条件と、設置する設備の条件で決まります。
ここでは、低圧の蓄電池の扱いを加えた次の3つに分けて説明します。

補助の対象になる事業者・設備の主な条件
補助の対象になる事業者・設備の主な条件

対象になる事業者

国と東京都が定めている事業者の主な条件は、次のとおりです。

制度事業者の主な条件
国(系統用蓄電システム等導入支援事業)日本国内で事業活動を営む法人(一般送配電事業者を除く)/補助対象設備を所有し、使用する者/直近の年度決算で債務超過でない
東京都(系統用大規模蓄電池導入支援事業)都内に登記簿上の本店または支店がある法人(一般送配電事業者を除く)

決算を迎えていない新設のSPC(特別目的会社。事業のために新しく設立する会社)で申請する場合、国の債務超過の判定はSPCではなく主たる出資者の決算で行われます。
出資の組み方を決める段階で、どの会社の決算で判断されるのかを確認しておく必要があります。

対象になる設備

国の補助の対象は、電力系統に直接接続する最大受電電力1,000kW以上の蓄電システムを新たに導入する事業です。
導入した蓄電池は、卸電力市場・需給調整市場・容量市場や相対契約を通じて調整力などを供出します。
工場やビルの電気を賄う需要側の蓄電池や、発電所に併設する蓄電池は、この区分では対象になりません。

東京都の場合は、東京電力管内の電力系統に直接接続し、電力系統側への定格出力が1,000kW以上であることが条件です。
国は「最大受電電力」、東京都は「定格出力」で規模を判定するため、2つの制度に申請する場合は、それぞれの基準での数値の確認が必要です。

国の制度では、蓄電池を制御するBMS(電池の管理装置)・PCS(電力の変換装置)・EMS(エネルギーの管理システム)などの機器に、国のIoTセキュリティ制度「JC-STAR」で★1の適合ラベルを取得していることが求められます。
なお、★1の取得対象にならない機器(IP通信機能を持たない機器やクラウド上の機器など)を使う場合は、将来★2の基準の運用が始まったときに、電力の供出を始めるまでに★2を取得することも求められています。
★1の取得状況は、メーカーを比べる段階で確かめておきたい点です。

JC-STARの仕組みは、下記記事で解説しています。
関連記事:JC-STARとは?系統用蓄電池事業で知っておきたいIoTセキュリティ制度を解説

低圧の蓄電池は対象外

低圧(50kW未満)で連系する系統用蓄電池は、国の補助金も東京都の助成金も申請の対象になりません。
国は最大受電電力、東京都は定格出力で、いずれも1,000kW以上を条件にしているためです。

連系出力50kW未満の低圧系統用蓄電池の仕組みと、低圧の案件で使える制度・資金調達の方法は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池とは?仕組み・高圧との違い・注目される理由と注意点を解説
関連記事:低圧系統用蓄電池の融資と補助金|使える制度・使えない制度と資金調達の方法

※参照:公募要領(2026年9月)1-5.補助対象事業者、1-6.補助対象設備|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」令和8年度助成事業を開始します|東京都

系統用蓄電池の補助金申請の流れ

国の補助金を例に、準備から導入後の報告までの流れを図にまとめました。

申請の流れと期限
令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業の申請の流れ(出典:SII 公募要領・公募ページ、2026年11月5日時点)

国の補助金の手続きは、次の10段階で進みます。

  1. GビズIDプライムアカウント(国の電子申請で使う法人向けのID)を取得する
  2. 設置予定地の自治体と地権者との協議を始める
  3. 基本設計を行い、容量の計算と事業計画・収支計画をまとめる
  4. 3者以上から見積を取る(または競争入札を行う)
  5. Jグランツ(国の補助金の電子申請システム)で申請する
  6. 申請書類を2冊作り、1冊をSIIへ郵送する
  7. 審査を受け、交付決定を受ける(2027年1月上旬以降の予定)
  8. 設備と工事の契約・発注をして、着工する
  9. 工事の完了後に実績報告を提出する
  10. 運用を始めてから3年間、運用データを報告する

1〜6は申請の締切までに済ませる段階で、令和7年度補正の締切は2026年11月4日17時必着でした。
なかでも、2の自治体・地権者との協議が始まっていないことと、3の基本設計や容量計算の検討をしていないことは、不採択の理由になると公募要領(補助金の要件と手続きを定めた募集の案内)に書かれています。

公募要領が不採択の事例として挙げているのは、次のような申請です。

  • 実施場所の自治体との協議が始まっていない
  • 許認可の取得やその見込みを示す資料がなく、地元との調整の計画も具体的でない
  • 見積依頼や競争入札で、特定のメーカーや機種を指定している(仕様で結果的に絞られる場合も含む)
  • 基本設計や容量計算の検討をしていない

設置場所の条件と土地の探し方は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池に適した土地とは?設置条件・変電所との距離・探し方を解説

令和7年度補正では、郵送する書類をA4の2穴パイプ式ファイルにとじてインデックスを付け、配送状況を確認できる方法で送る決まりでした。
SIIの窓口への持ち込みは受け付けておらず、提出の方法は郵送だけでした。

※参照:公募要領(2026年9月)1-5.補助対象事業者、3-2.交付申請、3-4.提出先と締切日、3-6.審査|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

系統用蓄電池の補助金のこれまでの採択結果

国の補助金の直近2回の採択結果は、SIIが公表している交付決定のリストで確認できます。

回次受付期間採択件数交付決定額の合計
令和7年度2025年8月29日〜10月24日37件約363億円
令和6年度2024年8月30日〜10月31日27件約346億円

令和7年度に採択された事業者には、オリックス株式会社や、三菱地所株式会社・伊藤忠商事株式会社・東京センチュリー株式会社の共同申請が含まれます。
令和6年度の採択事業者は、石油資源開発株式会社・株式会社エネウィル・大和ハウス工業株式会社などです。

合計額を件数で割ると、1件あたりの交付決定額は令和7年度が約9.8億円、令和6年度が約12.8億円です。
ただし、1件ごとの額は令和7年度で約1.2億円から40億円まで幅があり、平均は大型案件に引き上げられています。

今回の令和7年度補正の予算は、3つの事業区分あわせて616億円の内数で、初年度分は約80億円の内数と示されています。
内数は「より大きな予算枠の一部」という意味で、この区分だけに80億円が確保されているわけではありません。

国内で稼働・開発中の案件の規模は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の国内導入事例|稼働済み・開発中案件の規模と事業スキームを比較

※参照:令和7年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業 交付決定|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:令和6年度 系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業 交付決定|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:公募要領(2026年9月)1-3.予算額|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

系統用蓄電池の補助金を申請する前の注意点

補助金は採択されれば終わりではなく、申請の段階から導入後まで守るべき条件が続きます。
とくに計画の段階で確かめておきたいのは、次の2つです。

交付決定前に発注すると対象外になる

設備や工事の契約・発注は交付決定の日より後に行う決まりで、それより前に契約した分は補助の対象外です。
今回の交付決定は2027年1月上旬以降の予定なので、蓄電池の納期や工期を組むときは、発注できるのが早くても2027年1月以降だという前提で計画を立てることになります。

導入後は3年間の報告と処分の制限がある

補助を受けた事業者は、電力市場への調整力の供出(蓄電池の充放電で電気の需要と供給のずれを埋めること)を始めた日から3年間、運用データと活用状況報告書を提出します。
報告には30分ごとの運用データの取得と保管が必要になるので、そのデータを誰がどのように取得・保管するのかを、運用を始める前に決めておくことが必要です。

また、処分制限期間(補助で導入した設備を自由に売却・廃棄できない期間)の中で設備を処分するには、事前にSIIの承認を受けなければならず、承認を受けた場合でも補助金の返還を求められることがあります。
処分制限期間の長さを決めるのは、機器の法定耐用年数です。

法定耐用年数と償却の考え方は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の減価償却をわかりやすく解説|償却期間(耐用年数)や償却方法も紹介

※参照:公募要領(2026年9月)4-1.補助事業の開始、4-6.取得財産等の管理、4-7.補助対象設備の活用及び報告|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

系統用蓄電池の補助金に関するよくある質問

国の補助金と東京都の助成金は併用できますか?

国の補助金と東京都の助成金は、同じ案件で国と東京都に申請することができます。
ただし東京都は、国などの補助金と併せて受ける場合も合計で助成対象経費の3分の2以内と定めているため、国の補助金を受ける分だけ、東京都から受けられる額が小さくなる仕組みです。

一方で国の補助金は、同じ設備で他の国の補助金と重ねて受けることが認められていません。

申請を代行してもらうことはできますか?

国の補助金は代行での申請ができず、公募要領にも「代理・代行申請は受け付けない。必ず申請者自身で申請を行うこと」と書かれています。
GビズIDの取得もJグランツでの入力も申請する会社が自分で行うため、書類づくりを外部に相談する場合でも、提出の手続きは社内で担当者を決めておく必要があります。

国はなぜ系統用蓄電池に補助金を出しているのですか?

太陽光や風力の発電が増えた地域で、余った電気をためて足りない時間に戻す調整力を増やすためです。
公募要領は、北海道や九州では天候で出力が変わる再エネが需要全体の7割以上を占める時間帯も出てきていると説明しており、発電を止める出力制御を減らしながら電力系統を安定させる手段として、蓄電池の導入を支援しています。

※参照:公募要領(2026年9月)|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
※参照:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」令和8年度助成事業を開始します|東京都

系統用蓄電池の補助金まとめ

系統用蓄電池の補助金を使う場合は、国はSII、東京都はクール・ネット東京のサイトで、次の公募の有無と時期を確認してください。
名称や要件は公募ごとに変わることがあり、この記事の内容は2026年11月5日時点のものです。

次の公募でも令和7年度補正と同じ要件であれば、申請までに自治体・地権者との協議を始め、基本設計と容量計算の検討を済ませておく必要があります。
申請に使うGビズIDプライムアカウントも、令和7年度補正ではSIIが早めの取得を呼びかけていました。

※参照:令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

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