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長期脱炭素電源オークションとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
脱炭素社会の実現に向けて、蓄電池や水素発電などの脱炭素電源への投資が進んでいます。一方で、こうした設備には多額の初期投資が必要であり、収益の見通しを立てにくいという課題があります。
そこで創設されたのが「長期脱炭素電源オークション」です。本記事では、制度の仕組みや容量市場との違い、メリット・課題についてわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
- 長期脱炭素電源オークションの仕組みと目的
- 企業にとってのメリット(安定収益・投資促進・蓄電池ビジネス)
- 課題・リスク・最新の市場動向
長期脱炭素電源オークションとは?図解でわかりやすく解説
この章では、長期脱炭素電源オークションの基礎知識を解説します。制度の概要や容量市場との関係を整理しながら、その役割や仕組みについて見ていきましょう。
長期脱炭素電源オークションの概要

長期脱炭素電源オークションとは、蓄電池や水素発電などの脱炭素電源への投資を促進するため、国が長期的な収益確保を支援する制度です。
脱炭素電源は建設に多額の費用が必要な一方で、電力市場の価格変動による収益リスクがあります。そのため企業だけで投資判断を行うことが難しく、新たな電源開発が進みにくいという課題がありました。
そこで国が投資回収の見通しを立てやすくすることで、民間企業の参入や設備投資を後押ししています。
【制度の重要ポイント】
- 原則20年間にわたる長期の収益保証が行われる。
- 蓄電池や水素など、初期投資の大きい脱炭素電源が対象となる。
- 市場価格に左右されず、安定した投資回収が可能になる。
- カーボンニュートラル実現に向けた、日本の基幹的な支援策である。
長期脱炭素電源オークションと容量市場の関係

長期脱炭素電源オークションは、既存の「容量市場」の枠組みをベースにしながら、新規の脱炭素電源の建設・投資に特化した制度です。
なぜベースとなる容量市場と分ける必要があるかというと、電力を「安定」させながら「クリーン」にするという、日本のエネルギー転換を両立させるためです。
通常の容量市場は1年単位の契約で「今の電力(既存設備)」を守るのに対し、本制度は原則20年という長期契約で「未来の電源(新設備)」を創ります。このように役割分担を明確にすることで、持続可能な電力インフラの構築を目指しています。
具体的に、これら2つの市場には以下のような違いがあり、日本の電力を支える不可欠な両輪となっています。
| 項目 | 通常の容量市場 | 長期脱炭素電源オークション |
|---|---|---|
| 主な目的 | 現在の供給力の確保 | 脱炭素電源の新規投資を促進 |
| 契約期間 | 1年間 | 最大20年間 |
| 対象 | 既存の火力発電等も含む | 蓄電池や水素等の脱炭素電源 |
| 役割 | 短期的な需給の安定 | 長期的な電源構成の転換 |
長期脱炭素電源オークションの対象となる電源
本制度の対象は、カーボンニュートラルの実現に貢献する「新設・リプレイス(建て替え)・改修」の脱炭素電源です。
主な対象電源は以下のとおりです。
長期脱炭素電源オークションの対象となる電源
- 大型蓄電池・揚水発電
- 水素・アンモニア発電
- バイオマス発電
- 地熱発電
- 原子力発電
※すでに稼働している「既存の設備」のままでは参加できません。
※既存設備をそのまま運用するだけでは対象とならず、新設・リプレイス・改修を伴う投資が前提となります。
この制度は、既存の発電所ではなく「これから新しく建設・建て替えを行う次世代のインフラ」だけを対象としています。
長期脱炭素電源オークションの仕組み

長期脱炭素電源オークションは、事業者が必要な固定費水準を入札し、落札した電源に対して長期的な収益確保を支援する制度です。
将来の売電収入だけでは投資回収の見通しを立てにくい脱炭素電源に対して、固定費回収の予見性を高めることで新規投資を促進することを目的としています。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 固定費をもとに入札を行う
- 価格競争を経て落札電源を決定する
- 落札後は制度に基づく収益調整が行われる
- 原則20年間の収入予見性が付与される
事業者間を価格競争させることで国民負担を抑えつつ、選ばれた事業者には20年間の投資回収を保証する仕組みです。
オークションの流れ
オークションは、大きく「事前審査」「本入札」「運用」という3つのフェーズで進められます。
長期脱炭素電源オークションでは、価格だけでなく事業計画や設備開発の実現性なども確認されるため、段階的な審査が行われます。
- 【事前審査】参加資格の確認
事業者は募集要項で定められた要件を満たしているか審査を受けます。事業計画や設備開発の進捗状況などが確認されます。 - 【本入札】価格競争
事前審査を通過した事業者が入札を行います。提示された価格をもとに落札者が決定されます。 - 【運用フェーズ】建設と20年間の精算
落札後は設備の建設や運営を進めます。制度に基づく収益調整が行われ、長期的な投資回収の予見性向上が図られます。
このように、長期脱炭素電源オークションは事業計画の審査から設備運営までを含めた仕組みとなっています。
収益の仕組み
長期脱炭素電源オークションでは、オークションで決定した価格をもとに、固定費回収の予見性を高める仕組みが採用されています。
これは、蓄電池や水素発電などの脱炭素電源への投資を促進するためです。これらの設備は建設に多額の初期投資が必要となるため、長期的な収益の見通しを立てやすくすることが重要とされています。
収益の仕組みは、主に次の2点で構成されています。
- 容量収入の付与:
落札した電源には、制度に基づく容量収入が付与されます。これにより、長期的な投資回収の予見性向上が図られています。 - 市場収益との精算:
市場で得た収益と制度上の収益調整を組み合わせることで、過度な利益や不足分を調整する仕組みが設けられています。
このように、長期脱炭素電源オークションは、投資回収の予見性を高めながら、国民負担とのバランスを図る制度として設計されています。
入札方式・価格決定方法
長期脱炭素電源オークションでは、事業者が自ら提示した入札価格のまま落札が決まる「ペイ・アズ・ビッド(Pay-as-Bid)方式」が採用されています。
この入札方式が採用されている理由は、電源(蓄電池や水素など)ごとに異なる建設コストを柔軟に反映させつつ、事業者間の競争によって国全体の調達費用を抑えるためです。一律の価格で買い取られる市場とは異なり、それぞれの事業者が「投資回収に最低限必要な金額」をシビアに攻め合う仕組みになっています。
具体的には、以下のようなルールで価格が決定します。
- 入札の単位は「円/kW/年」:
20年間で回収すべき固定費(建設費や維持費)を、この単位に算出して入札します。 - 価格の低い順に落札:
国が設定した募集容量に達するまで、提示価格の低い事業者から順番に落札が決定します。 - 自分の入札価格がそのまま適用:
落札できた場合は、他の事業者の価格に関係なく、「自分が提示した入札価格」がそのまま20年間の支払基準(固定費リファレンス価格)になります。
このように、長期脱炭素電源オークションでは、事業者が提示した価格をもとに落札者が決定されます。価格競争を通じて調達コストの抑制と投資促進の両立を図る仕組みとなっています。
長期脱炭素電源オークションの3つのメリット
長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源への投資を後押しする制度です。原則20年間にわたる容量収入の仕組みにより、投資回収の予見性を高められることが大きな特徴です。
ここでは、本制度がもたらす主なメリットを3つ紹介します。

1.長期安定収益を確保しやすい
本制度の大きな特徴は、原則20年間にわたり容量収入を得られる点です。
電力市場では価格変動の影響を受けるため、売電収入だけで長期的な事業計画を立てることは容易ではありません。一方、長期脱炭素電源オークションでは、固定費回収の予見性を高める仕組みが設けられているため、投資回収の見通しを立てやすくなります。
特に、蓄電池や水素発電など多額の初期投資を必要とする設備にとっては、長期的な事業計画を策定しやすい点がメリットといえるでしょう。
2.脱炭素投資を進めやすい
長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源への新規投資を促進するために創設された制度です。
蓄電池や水素・アンモニア発電などの脱炭素電源は、多額の初期投資が必要となる一方で、投資回収までに長い期間を要するケースがあります。
本制度では、原則20年間にわたる容量収入の仕組みにより、投資回収の予見性向上が図られています。そのため、長期的な視点で設備投資を検討しやすくなる点がメリットの一つです。
3.蓄電池ビジネスとの相性が高い
長期脱炭素電源オークションでは、蓄電池が主要な対象電源の一つとして位置付けられています。
蓄電池は、再生可能エネルギーの出力変動への対応や電力需給の安定化に貢献する設備として期待されており、これまでのオークションでも多くの案件が落札されています。
また、本制度による容量収入に加え、卸電力市場や需給調整市場などへの参加も可能であるため、複数の収益機会を組み合わせた事業運営が検討されています。
このように、蓄電池は長期脱炭素電源オークションとの関連性が高く、制度活用が期待される電源の一つです。
【蓄電池ビジネスの比較表】
| 項目 | 制度利用なし | 本制度の活用(長期脱炭素オークション) |
| 収益の安定性 | 市場価格に依存し、変動が激しい | 最大20年間の固定費回収が保証される |
| 投資回収 | 予見性が低く、融資の難易度が高い | 公的な支援により融資が受けやすい |
| 主な役割 | 短期的な価格差による利益追求 | 長期的な系統安定化(停電防止など)への貢献 |
| 市場優位性 | 収益基盤が不安定 | 安定収益を背景に多角的な運用が可能 |
長期脱炭素電源オークションの課題・デメリット
長期脱炭素電源オークションには、メリットがある一方で、注意すべき課題もあります。特に、入札に向けた準備コストや制度変更の可能性などは、事前に把握しておく必要があります。
ここでは、本制度を活用する際に確認しておきたい主な課題を解説します。

1.国の制度変更リスクがある
長期脱炭素電源オークションは長期間にわたって運用される制度であるため、将来的な制度見直しやルール変更の影響を受ける可能性があります。
エネルギー政策や電力市場を取り巻く環境は変化しており、制度の運用方法や募集要件などが見直される場合があります。そのため、事業者は制度開始時の条件だけでなく、今後の政策動向にも注意を払う必要があります。
長期的な事業計画を立てる際は、最新の制度情報や関連する審議会資料などを継続的に確認することが重要です。
2.落札できない可能性がある(フロントコストの不確実性)
長期脱炭素電源オークションは競争入札によって落札者が決定されるため、入札に参加しても必ず落札できるとは限りません。
また、事業者は入札前に事業計画の策定や各種手続きなどを進める必要があり、一定の準備コストが発生します。そのため、準備を進めた結果として落札に至らない可能性がある点は留意しておきたいポイントです。
特に応募が集中する分野では競争が激しくなる場合もあり、入札戦略や事業計画の検討が重要になります。
容量市場・需給調整市場・卸電力市場との違い
長期脱炭素電源オークションを理解するためには、容量市場・需給調整市場・卸電力市場(JEPX)との違いを押さえておくことが重要です。
これらの市場はそれぞれ役割が異なり、取引される価値や目的も異なります。まずは各市場の特徴を比較しながら、長期脱炭素電源オークションがどのような位置付けの制度なのかを見ていきましょう。
容量市場との違い
容量市場との大きな違いは、対象となる電源と契約期間にあります。容量市場が既存設備を含む供給力の確保を目的としているのに対し、長期脱炭素電源オークションは脱炭素電源への新規投資を促進するための制度です。
また、容量市場が原則1年単位の契約であるのに対し、本制度は原則20年間の長期支援を特徴としています。
容量市場では既存の火力発電所なども対象となりますが、長期脱炭素電源オークションは蓄電池や水素発電などの新設・リプレイスを伴う脱炭素電源が対象です。
需給調整市場との違い
長期脱炭素電源オークションと需給調整市場は、どちらも電力システムを支える制度ですが、その目的は大きく異なります。長期脱炭素電源オークションは、蓄電池や水素発電などの脱炭素電源への投資を促進するため、設備の建設・維持を長期的に支援する制度です。
一方、需給調整市場は、電力の需要と供給のバランスを維持するために必要な調整力を取引する市場です。発電量や需要の変動に対応し、電力系統の安定運用を支える役割を担っています。
つまり、長期脱炭素電源オークションが「将来の電源確保」を目的とするのに対し、需給調整市場は「日々の電力需給の安定化」を目的とする制度といえます。
卸電力市場(JEPX)との違い
卸電力市場(JEPX)との違いは、収益の源泉にあります。JEPXでは売電した電力量(kWh)に応じて収益を得るのに対し、長期脱炭素電源オークションでは供給力(kW)を対象とした収入が得られます。
JEPXの価格は需給状況や燃料価格などの影響を受けて変動します。一方、長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源への投資を促進するため、固定費回収の予見性向上を目的とした仕組みが設けられています。
このように、JEPXが電気そのものを取引する市場であるのに対し、長期脱炭素電源オークションは将来の供給力確保と脱炭素投資の促進を目的とする制度です。
容量市場・需給調整市場・卸電力市場との違いまとめ表
| 市場名称 | 取引される価値 | 主な対象 | 収益の性質 | 契約期間 |
| 長期脱炭素電源オークション | 新規脱炭素設備の容量(kW) | 新設・リプレース等の脱炭素電源 | 固定費回収(利益還付あり) | 最大20年間 (※蓄電池は10年間) |
| 容量市場 | 既存・新規の供給力(kW) | 既存設備を含む供給力 | 1年ごとの容量確保報酬 | 1年間 |
| 需給調整市場 | 需給調整の柔軟性(ΔkW) | 変動対応が可能な電源・蓄電池 | 調整力提供への対価 | 短期(前日等) |
| 卸電力市場(JEPX) | 電気のエネルギー量(kWh) | すべての発電・蓄電設備 | 市場価格に応じた売電益 | 30分単位 |
過去の落札結果と最新動向
長期脱炭素電源オークションを理解するうえで、過去の落札結果は重要な参考材料です。実際にどのような電源が選ばれ、どの程度の価格で落札されたのかを見ることで、市場の傾向や投資環境を把握できます。
また、競争状況や落札価格の推移を確認することで、今後の事業計画や投資判断にも役立ちます。
第1回オークション結果
第1回オークション(2023年度入札)では、多くの案件が応札し、脱炭素電源への投資需要の高さが示されました。
特に蓄電池分野では募集容量を大きく上回る応札があり、高い競争率となりました。証拠です。
募集に対して蓄電池の応札が非常に多く集まり、将来の調整力確保に向けた期待が数字として現れました。
【第1回オークションの主要電源の落札結果】
| 電源区分 | 募集容量 | 応札容量 | 落札容量 | 最高落札価格(円/kW/年) |
| 蓄電池・揚水 | 100万kW | 448万kW | 109万kW | 16,913円 |
| 専焼火力(水素等) | 100万kW | 0kW | 0kW | 応札なし |
| 混焼火力(LNG等) | 200万kW | 227万kW | 193万kW | 11,811円 |
落札傾向と最新動向
長期脱炭素電源オークションでは、制度開始以降、蓄電池を中心に多くの応札が集まっており、高い競争率が続いています。
また、回を重ねるごとに応札状況や落札結果にも変化が見られています。特に蓄電池分野では、第1回・第2回オークションで多くの事業者が参入した一方、第3回オークションでは応札量の変化が見られるなど、市場環境は変化を続けています。
こうした動向は、事業者の投資判断や収益性の見通しを考えるうえで重要な指標となります。今後のオークション結果を継続的に確認することで、市場の方向性や投資機会を把握しやすくなるでしょう。
参照:
・電力広域的運営推進機関(OCCTO) 長期脱炭素電源オークション
・OCCTO 2025年度 長期脱炭素電源オークション約定結果
今後の見通し
長期脱炭素電源オークションは、日本の脱炭素化と安定供給の両立を支える制度として、今後も継続的な運用が見込まれています。
また、オークション結果や市場環境の変化を踏まえながら、募集区分や制度運用の見直しが行われる可能性があります。特に蓄電池分野は応札状況の変化も見られており、今後の制度動向や募集要項の変更に注目が集まっています。
事業者にとっては、最新の制度情報やオークション結果を継続的に確認しながら、中長期的な事業計画を検討していくことが重要になるでしょう。
長期脱炭素電源オークションはどんな事業者に向いている?
長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源の新設を計画している事業者を主な対象とした制度です。
蓄電池や水素発電などは初期投資が大きく、投資回収までに長い期間を要するケースがあります。本制度は、こうした設備への投資を後押しするために設計されており、長期的な事業運営を前提とする事業者との相性が良い制度といえます。
再エネ開発事業者
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー事業を展開する事業者にとって、長期脱炭素電源オークションは設備投資を後押しする支援制度の一つです。
再生可能エネルギーは天候によって発電量が変動するため、収益の見通しを立てにくい側面があります。こうした中で、蓄電池などの脱炭素電源を導入し、本制度を活用することで、長期的な事業計画を立てやすくなる可能性があります。
また、発電設備と蓄電池を組み合わせることで、電力の有効活用や系統運用への対応力向上が期待されています。
蓄電池事業者
系統用蓄電池事業を展開する事業者にとって、長期脱炭素電源オークションは活用が期待される制度の一つです。
蓄電池は再生可能エネルギーの導入拡大や電力需給の安定化に重要な役割を担っています。一方で、多額の初期投資が必要となることから、長期的な事業計画の策定が課題となる場合があります。
本制度では蓄電池も対象電源に含まれており、投資回収の予見性向上が図られています。そのため、蓄電池事業を検討する事業者にとって、有力な選択肢の一つといえるでしょう。
EPC・アグリゲーター
EPC事業者やアグリゲーターにとっても、長期脱炭素電源オークションは関連性の高い制度です。
本制度では、蓄電池や脱炭素電源の新設・リプレイスが対象となるため、設備の設計・施工や運用支援に関わる事業機会の拡大が期待されています。
また、蓄電池の運用や電力市場への対応には専門的な知見が求められることから、アグリゲーターが果たす役割も大きくなると考えられています。
新規参入企業
長期脱炭素電源オークションは、電力業界以外から脱炭素関連事業への参入を検討している企業にとっても活用が期待される制度です。
蓄電池や水素発電などの脱炭素電源は初期投資が大きく、事業化を判断する際には長期的な収益性の検討が欠かせません。本制度では、長期間にわたる収益確保の仕組みが設けられているため、事業計画を立てやすくなる特徴があります。
また、遊休地や既存の事業基盤を活用して新たなエネルギー事業を検討する企業にとっても、投資判断を行う際の参考となる制度の一つといえるでしょう。
よくある質問
よくある質問として、参加条件や契約期間、収益の仕組みなどについて解説します。制度への理解を深めるための参考としてご活用ください。
長期脱炭素電源オークションは誰でも参加できますか?
いいえ。誰でも参加できるわけではありません。
長期脱炭素電源オークションは主に法人を対象としており、参加するためには募集要項で定められた要件を満たす必要があります。
具体的には、対象となる電源の種類や事業計画、設備の開発状況などについて審査が行われます。また、制度の詳細な参加条件は募集年度や対象電源によって異なるため、最新の募集要項を確認することが重要です。
蓄電池単独でも参加できますか?
はい。募集要項で定められた要件を満たせば、蓄電池単独で参加することが可能です。
長期脱炭素電源オークションでは、蓄電池も対象電源の一つとされており、これまでのオークションでも多くの蓄電池案件が落札されています。
蓄電池は、再生可能エネルギーの出力変動への対応や電力需給の安定化に貢献する設備として期待されており、制度の対象となっています。
ただし、参加要件や対象となる設備の条件は募集年度によって変更される場合があるため、最新の募集要項を確認することが重要です。
どのくらいの収益が期待できますか?
期待できるのは、一時的な利益の最大化ではなく、長期的な収益基盤の構築です。
長期脱炭素電源オークションでは、最大20年間にわたって収益確保を支援する仕組みが設けられており、投資回収の見通しを立てやすいことが特徴です。
また、市場収益と制度上の収益調整を組み合わせることで、電力市場の価格変動による影響を一定程度抑えられるよう設計されています。そのため、蓄電池や水素発電など、多額の初期投資を必要とする脱炭素電源への投資を後押しする制度として位置付けられています。
ただし、実際の収益性は設備投資額や運営コスト、市場環境などによって異なるため、事業計画や収支シミュレーションを踏まえた検討が重要です。
まとめ:長期脱炭素電源オークションとは
長期脱炭素電源オークションは、蓄電池や水素発電などの脱炭素電源への投資を支援する制度です。最大20年間の支援により投資回収の見通しを立てやすくし、日本の電力の安定供給と脱炭素化の両立を目指しています。
容量市場が既存設備による供給力の確保を担うのに対し、本制度は新たな脱炭素電源への投資を促進する役割を担っています。
