低圧系統用蓄電池への投資|投資額・利回りの見方と低圧のリスク

低圧系統用蓄電池への投資とは、連系出力50kW未満の蓄電所を1区画ずつ買って持ち、電力市場で得る収入を受け取る投資のことです。
市場での運用を担うのは、アグリゲーター(多くの蓄電池を束ねて電力市場で運用する事業者)です。
公開されている1区画の総額は1,450万〜3,000万円で、土地や系統につなぐ工事の負担分を含むかどうかで差が出ます(チクデン調べ、2026年9月時点)。
販売側が示す利回りは、公表した時点の市場価格や契約を前提にした数字です。
その後、需給調整市場(電気の需要と供給のずれを埋める力を取引する市場)の上限価格が下がり、前提はすでに変わっています。

この記事では、自社に合う持ち方を選ぶための比べ方を整理したうえで、販売側の試算を受け取ったときに確かめたい前提を解説します。
対象は低圧の蓄電所の購入を検討する人です。

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目次

低圧系統用蓄電池の投資とは

低圧系統用蓄電池の投資の規模と収入源(連系出力50kW未満、公開例の総額1,450万〜3,000万円、3つの市場)
投資の規模と収入源(出典:チクデン調べ、2026年9月時点)

低圧系統用蓄電池の投資とは、連系出力50kW未満の蓄電所を1区画ずつ買って持ち、電力市場で得る収入を受け取ることです。
個人でも法人でも、蓄電所という設備を自ら持つ同じ形で投資します。
収入は固定価格ではなく、アグリゲーターが市場で運用した結果で決まります。

1区画の規模と投資額

低圧系統用蓄電池の1区画の総額は、公開されている13の例で1,450万〜3,000万円です(チクデン調べ、2026年9月時点)。
出力と容量が分かる公開例の組み合わせは、出力49.5〜49.9kWの機器に約100〜250kWhの容量です。
総額の差には、土地と工事費負担金を含むかどうかが表れます。
工事費負担金は、系統につなぐための送配電側の工事費のうち、申し込む側が負担する額を指します。

低圧の公開例の総額と含む範囲を、高圧の例と並べると次のとおりです(チクデン調べ、2026年9月時点)。

区分総額含む範囲
低圧・最も安い公開例1,450万円〜設備(税別。土地と工事費負担金は別)
低圧・最も高い公開例3,000万円設備・土地・工事費負担金(税込)
低圧・土地込みの公開例2,500万〜3,000万円設備・土地
高圧の2MW・8MWh級(参考)6億円台後半〜7億円台土地や開発の費用まで含む

見積りを比べるときは、土地・工事費負担金・申請の費用を含むかと、税別か税込かをそろえてから比べます。
含む範囲をそろえないと、総額の差がどこから生まれているのかが分かりません。

公開例ごとの価格と含む範囲、費用の内訳は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の価格はいくら?公開例と費用の内訳・維持費を解説

アグリゲーターを通じた収入の流れ

低圧の蓄電池は1台では出力が小さいため、需給調整市場には、アグリゲーターが多数の蓄電池を束ねて入札します(2026年10月時点)。
2026年度(4月)からは、低圧の蓄電池もアグリゲーターを通じてこの市場に入札できるようになりました。

アグリゲーターは、多くの蓄電池や発電設備の運転をまとめて管理し、市場への入札・充放電の制御・精算を持ち主に代わって行う事業者です。
持ち主はアグリゲーターと運用の契約を結び、市場で得た収入から手数料を引いた額を受け取る仕組みです。
そのため、どのアグリゲーターと契約するかで、参加できる市場と手取りが変わります。

系統用蓄電池の収入源には、需給調整市場のほかに、卸電力市場(JEPX)と容量市場があります。
卸電力市場は電気そのものを売買する取引所で、容量市場は将来の供給力を取引する市場です。
低圧の事業モデルの公表例では、需給調整市場での運用が挙げられています。

低圧の蓄電池が3つの市場から収入を得る仕組みと制度は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池とは?仕組み・高圧との違い・注目される理由と注意点を解説

高圧の蓄電所と比べると、低圧は投資額が小さく連系までの期間も短い一方で、収入の条件がアグリゲーターとの契約に左右されます。
高圧では申し込む前に、つなげるかどうかと工事費を一般送配電事業者に調べてもらう接続検討という手続きが必要です。
低圧にはこの手続きがなく、早ければ申込みから1か月ほどで連系できます(2026年10月時点)。

高圧も含めた系統用蓄電池の投資額と投資の形は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の投資とは?投資額・投資の形と確かめること

※参照:系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について(2026年10月6日)p.13〜15/資源エネルギー庁
※参照:需給調整市場における機器個別計測・低圧リソース導入について(2025年9月26日)p.31/電力広域的運営推進機関

低圧の蓄電所に投資する3つの形

土地付きで購入・借地で購入・自社の土地に設置の3つの形を、土地・最初の資金・連系と工事・主なリスクで比べた表
3つの形の比較(出典:チクデンの整理、2026年11月時点)

低圧の蓄電所に投資する形は3つで、土地付きの蓄電所の購入・借地の蓄電所の購入・自社の土地への設置です。
どの形も蓄電所を自ら持ち、アグリゲーターを通じて市場の収入を受け取ります。
3つの形は、土地を誰が持つかで、最初に要る資金と自分で負うリスクが変わります。

3つの形を項目ごとに比べると、次のとおりです(チクデンの整理、2026年11月時点)。

項目土地付きの蓄電所の購入借地の蓄電所の購入自社の土地への設置
土地買う借りる(地代を払う)自社の土地を使う
最初に要る資金設備と土地の代金設備の代金設備と工事の代金
連系の申込みと工事販売・施工会社が進めた案件を引き継ぐ販売・施工会社が進めた案件を引き継ぐ施工会社を選び、自社で手配する
自分で負う主なリスク市場価格・制度の変更・電池の劣化左の3つに加え、借地の期間と更新左の3つに加え、連系の可否と工事の品質
向く会社土地まで資産として持ちたい会社最初の資金を抑えたい会社蓄電所に向く土地をすでに持つ会社

1.土地付きの蓄電所の購入

土地付きの蓄電所の購入は、設備と土地をまとめて買う形で、運転を始めてからの地代がかかりません。
土地まで含めた価格の公開例は2,500万〜3,000万円です(チクデン調べ、2026年9月時点)。
将来蓄電所を売るときに、土地も一緒に売れる点もこの形の特徴です。

買う時点で連系が終わっていない案件では、連系の遅れや工事費の増加のリスクも引き継ぎます。
そのため、運転を始めているか、まだなら連系の承諾が出ているかが、価格と並ぶ判断の材料になります。

2.借地の蓄電所の購入

借地の蓄電所の購入は、土地を借りたまま設備を買い、土地のオーナーに地代を払い続ける形です。
2026年3月に販売・施工会社が公表した低圧の事業モデルでは、土地のオーナーに払う賃料の参考値は月4万円(年48万円)で、運用期間は15年を想定しています。

借地の期間が収支計画の期間より短いと、途中で土地を使えなくなるおそれがあります。
そのため、借地の期間と更新の条件、撤去するときの原状回復の扱いは、設備を買う前に借地の契約で押さえておきます。

低圧の蓄電所に要る土地の広さと、土地を貸し借りするときの注意点は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の土地に必要な広さ・設置の条件と土地を貸す場合の注意点

※参照:低圧系統用蓄電池が事業化、2026年度の需給調整市場に対応!約6坪から始まる新事業(2026年3月14日)/株式会社テクノロジーズ

3.自社の土地への設置

自社の土地への設置は、持っている土地に蓄電所を建てる形で、土地代がかからないのが利点です。
ただし、その土地で連系できるかと工事費負担金の額は、申し込んで設計が終わるまで分かりません(2026年10月時点)。
工事を頼む施工会社は、EPC(設計・調達・建設をまとめて請け負う会社)の中から選びます。

低圧の連系の申込みの流れと、期間・費用は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の系統連系申請|申込先・流れ・期間・費用を解説

蓄電所を持たずに、蓄電所の事業を営む会社の株式やファンド、クラウドファンディングなどに資金を出す形もあります。
この記事で扱うのは、蓄電所を自ら持つ3つの形です。

低圧系統用蓄電池の収入と費用の決まり方

蓄電所の持ち主、アグリゲーター、3つの市場、手数料の2つの決め方の関係図
収入が持ち主に届くまでの関係(出典:チクデンの整理、2026年11月時点)

低圧系統用蓄電池の手取りは、市場で得た収入からアグリゲーターの手数料と毎年の費用(保守・保険・地代・税など)を引いた額で決まります。
販売側の試算を受け取ったら、手数料の決め方と毎年の費用の前提を確かめます。

アグリゲーターとの収入の契約

低圧の蓄電所の収入の契約は、市場の収入を持ち主とアグリゲーターで分けるレベニューシェアの形で公表されています(チクデン調べ、2026年11月時点)。
レベニューシェアは、収益を決まった割合で分け合う契約のことです。
アグリゲーターが入札や充放電の制御、精算を行い、持ち主は市場の収入から手数料を引いた額を受け取ります。
市場の価格が上がれば手取りは増え、下がれば手取りも減るので、値動きの影響を受けるのは持ち主です。

収入の契約には、トーリング契約という別の形もあります。
トーリング契約は、蓄電所を運用する権利を一定期間相手方に渡し、その代わりに契約で決めた利用料を受け取る契約です。
持ち主の収入は市場の値動きに左右されにくくなる一方、市場が良いときの上振れは受け取れません。
ただし、低圧の蓄電所の持ち主がこの形の契約を結べるという公表例は、2026年11月時点で見当たりません(チクデン調べ)。

土地のオーナーが毎月決まった賃料を受け取る公表例はありますが、これは土地を貸す側の収入です。
蓄電所の持ち主から見ると、賃料は毎年かかる費用です。

レベニューシェアの中でも、手数料の決め方で持ち主の取り分は変わります。
手数料の決め方は、次の2つに分かれます。

手数料の決め方市場の収入が下がったときの手取り確かめること
売上に料率を掛けるだけの形手数料も同じ割合で下がり、売上に対する手取りの割合は変わらない料率と、料率を掛ける売上の範囲
料率に固定の基本料を足す形基本料は下がらないため、売上に対する手取りの割合が下がる基本料の額と、売上が少ない年の負担

低圧の手数料の公表例には、対象の売上の8%と年間の基本料30万円を組み合わせた形があります(税別、2026年9月公表)。
この形では、年間の対象の売上が500万円なら手数料は70万円で、売上の14%にあたります。
売上が250万円に下がると手数料は50万円で、売上に対する割合は20%です。

契約期間・途中で解約する条件・精算の時期も、どちらの形でも受取額に響く項目です。
また、市場での運用はアグリゲーターが担いますが、設備の点検や修理は保守の契約で別に手配します。
保守を誰に頼むかと、その費用が手数料に含まれるかも、契約ごとに違います。

低圧に対応するアグリゲーターの受付条件と、トーリング契約と運用委託の違いは、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池に対応するアグリゲーター一覧|対応市場・受付条件・選び方を解説
関連記事:トーリング契約とは?蓄電所のオフテイク契約と運用委託の違いを解説

※参照:【料金体系を公開】WATT-TUNE、低圧系統用蓄電池アグリゲーションの手数料を「売上の8%+年額30万円」に設定(2026年9月25日)/REVIX JAPAN株式会社(PR TIMES)

毎年かかる費用

低圧系統用蓄電池を持つと、運転を始めたあとも毎年かかる費用は、次の5つです。

  • アグリゲーターの手数料(料率と基本料)
  • 設備の保守(点検・修理・遠隔監視)
  • 保険(火災や自然災害への備え)
  • 地代(土地を借りている場合)
  • 固定資産税(償却資産としての課税)

このうち手数料・保守・保険・地代は、契約の中身で額が変わります。
手数料の基本料や保守・地代は、売上が少ない年にも同じようにかかる費用です。
保守や保険の金額を公表している事業者は少ないため、年間の額を見積りの段階で書面にしてもらいます。

運転を始めてからかかる費用の目安は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の価格はいくら?公開例と費用の内訳・維持費を解説

公表されている低圧の利回りの見方

低圧系統用蓄電池の利回りの公表値は、公表した時点の市場価格と契約の前提で決まり、その後に前提が変わると大きく動きます。
2026年3月14日に販売・施工会社が公表したIRR(お金が戻る時期まで含めた利回り)は、土地を持つ形で21.18%、土地を借りる形で16.60%でした。
公表のあとも、需給調整市場の上限価格の引き下げなど、試算の前提は変わり続けています。

このIRRは、出力49.9kW・容量100kWhの設備と約1,700万円の設備投資額(税別)を前提にした参考値です。
市場価格・稼働率・手数料・電池の劣化・補助金の有無の想定は公表されていません(2026年11月時点の公開情報に基づく)。
稼働率は、1日に充放電する回数など、蓄電池を市場でどれだけ動かすかの見込みです。
公表した会社も、将来の数値を保証するものではないとしています。

公表値の時点と、その後に変わった前提を並べると、次のとおりです(チクデン調べ、2026年11月時点)。

時点起きたこと利回りの見方への影響
2026年3月14日販売・施工会社が、低圧の事業モデルとIRRを公表市場価格の想定が書かれておらず、ほかの試算とそのまま比べられない
2026年3月14日需給調整市場の3つの商品の上限価格が19.51円から15.00円に2月5日に公表済みの引き下げを、試算が前提にしているかは書かれていない
2026年度(4月〜)低圧の蓄電池がアグリゲーターを通じて需給調整市場に入札できるようになった3月の試算は、低圧の運用の実績がない段階の数字
2026年8月末低圧系統用蓄電池の契約申込みが約13万kW・約2,800件に同じ市場に入札する低圧の蓄電池の数も、前提として確かめる対象になる
2026年9月1日同じ3つの商品の上限価格が15.00円から10.00円に(当面の間)3月の試算は、7月30日に公表されたこの引き下げを前提にしていない
2026年10月6日国が、低圧分割への対策を見直す案を示した複数の区画を並べる案件では、連系できる前提も変わりうる

※3つの商品は、一次調整力・二次調整力①・複合商品です。
※上限価格の単位は円/ΔkW・30分で、30分間に出し入れできる電力1kWあたりの価格です。
上限価格は約定価格の上限で、実際の約定価格が一律にこの額になるわけではありません。
※低圧分割は、本来1つの大きな設備を50kW未満の複数の設備に分けて申し込むことで、低圧分割と判断されると連系できないで取り上げています。

提示された試算(収益シミュレーション)で確かめる点は、次の4つです。

  • 試算に使った市場価格の時点(上限価格の引き下げの前か後か)
  • 収入の契約の形と、手数料の決め方
  • 電池の劣化と稼働率(充放電の回数)の見込み
  • 補助金の有無と、土地の費用(借地なら地代)

同じ蓄電所でも、市場価格の前提を変えるだけで利回りは大きく変わります。
資料に表面利回り(運用費を引く前の収入で計算した利回り)とある場合は、IRRと並べてそのまま比べられません。

利回りの種類ごとの違いと、提案された数字の確かめ方は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の利回りは何%?投資回収年数と数字の確かめ方

※参照:低圧系統用蓄電池が事業化、2026年度の需給調整市場に対応!約6坪から始まる新事業(2026年3月14日)/株式会社テクノロジーズ
※参照:需給調整市場のΔkW上限価格について(2026年7月30日)/電力需給調整力取引所
※参照:系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について(2026年10月6日)p.13・24/資源エネルギー庁

低圧の投資で特に注意する4つのリスク

低圧の投資で注意する4つのリスク(連系、低圧分割、アグリゲーターの受付、上限価格・制度の変更)と買う前に確かめること
4つのリスクと確かめること(2026年11月時点)

低圧系統用蓄電池の投資で特に注意するリスクは、連系・低圧分割・アグリゲーターの受付・市場と制度の変更の4つです(2026年11月時点)。
4つとも、起きたときの損失は蓄電所の持ち主が負うため、買う前に確かめます。

連系できるとは限らない

低圧の蓄電所は、申し込んでも連系できるとは限らず、送電網の増強が要る地域では連系まで年単位の期間が必要です。
たとえば関西電力送配電は、大規模な増強工事が要ると分かっている地域の工事を「概ね工期4年~10年以上の工事」としています。
低圧系統用蓄電池の契約申込みの量は、2026年8月末時点で約13万kW・約2,800件です。
低圧の蓄電池が同じ配電系統に集まると、高圧以上の系統にも大きな影響が出るおそれがあります。

連系が遅れた期間の収入の減少と、増えた工事費を負うのは持ち主です。
販売中の案件なら、連系の承諾が出ているかと運転開始の予定時期を、買う前に販売会社に聞いておきます。

※参照:系統用蓄電池のお申込みについて(2026年11月時点)/関西電力送配電
※参照:系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について(2026年10月6日)p.13・16/資源エネルギー庁

低圧分割と判断されると連系できない

低圧分割は、本来1つの大きな設備を50kW未満の複数の設備に分けて申し込むことで、系統用蓄電池も対策の対象です(2026年11月時点)。
一般送配電事業者が分割にあたると判断すると、その設備は低圧として連系できません。
判断では、設置者が同じかに加えて、土地の地権者が同じかも見られます。
地権者は、土地を所有する人や土地を使う権利を持つ人のことです。

国の審議会は2026年10月6日、蓄電設備について地権者が同じかを確かめる期間を延ばす案を示しました。
今の確認の範囲は申込みの年度から1年さかのぼるまでで、案はこれを5年に延ばす内容です。
ただし、示されたのは見直しの案で、まだ決まっていません。
複数の区画が並ぶ案件では、申込みの審査で低圧分割にあたらないとされて受け付けられているかと、連系の承諾が出ているかを確かめておきます。
受け付けられた案件でも、買うときの名義変更の手続きで、分割にあたるかが改めて判断される場合があります(2026年11月時点)。

※参照:発電等設備の分割対策に関するQ&A/資源エネルギー庁
※参照:系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について(2026年10月6日)p.16・24/資源エネルギー庁

アグリゲーターが受け付けない場合がある

低圧の蓄電池の受付条件はアグリゲーターごとに違い、契約先が見つからなければ、蓄電所を建てても市場の収入を得られません。
2026年9月には低圧の蓄電池を1台から相談を受け付けると公表した会社がある一方、高圧向けのサービスだけを公表している会社もあります。
そのため、契約先のアグリゲーターが決まっているかと、契約期間・途中で解約する条件は、買う前に押さえておく点です。

計測の方法も、アグリゲーターとの契約の前に確かめる点です。
蓄電池だけをつなぐ区画では、電力会社から電気を受け取る地点(受電点)のメーターで計測します。
この受電点計測なら、低圧でも2026年度から需給調整市場のすべての商品に参加できる整理です(2025年9月時点)。
一方、工場などの設備と同じ受電点にある蓄電池を、蓄電池ごとに付けた計量器で測る方式もあり、機器個別計測と呼ばれます。
機器個別計測では、受電点に次世代スマートメーターが付いている必要があります。
次世代スマートメーターは今のスマートメーターの次の型の電力量計で、国の検討会が示した予定では、低圧への設置の始まりは2025年度です(2025年9月時点)。

低圧に対応するアグリゲーターと受付条件の比べ方は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池に対応するアグリゲーター一覧|対応市場・受付条件・選び方を解説

※参照:需給調整市場における機器個別計測・低圧リソース導入について(2025年9月26日)p.31・32/電力広域的運営推進機関
※参照:【料金体系を公開】WATT-TUNE、低圧系統用蓄電池アグリゲーションの手数料を「売上の8%+年額30万円」に設定(2026年9月25日)/REVIX JAPAN株式会社(PR TIMES)

市場の上限価格や制度が変わる

需給調整市場の上限価格は2026年に2回引き下げられ、低圧の蓄電池に関わる制度も見直しが続いています(2026年11月時点)。
上限価格の推移は、公表されている低圧の利回りの見方の表にまとめています。
制度の変更で収入が減っても、その分を負うのは持ち主です。
そのため、試算がいつの時点の制度と市場価格で作られたかが、受け取った数字を読むときの前提になります。

系統用蓄電池に関わる制度の変更と締切は、下記記事で解説しています。
関連記事:系統用蓄電池の制度の動き|主な変更点と締切

電池の劣化は、高圧と共通のリスクです。
電池の容量は使うにつれて少しずつ下がるので、メーカーの容量保証の有無と期間を、収支計画の期間と比べておきます。

低圧の製品ごとの容量・保証の比較は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池のメーカー一覧|主要製品の価格・容量・保証・JC-STARを比較

低圧系統用蓄電池の投資のよくある質問

低圧の蓄電所の投資に融資や補助金は使えますか?

低圧の蓄電所への投資に国の系統用蓄電池の補助金は使えず、資金は自己資金のほか、リースや融資で組みます(2026年11月時点)。
2026年9月に公募が出た国の補助金は、系統用蓄電池の要件が最大受電電力1,000kW以上で、50kW未満の低圧は対象外です。
自治体の補助金も、低圧系統用蓄電池を対象にしたものは2026年9月時点で見当たりません(チクデン調べ)。
融資は、借りる会社の信用や自己資金の割合が審査で見られます。

低圧で使える資金の調達方法と、融資の審査で見られる点は、下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の融資と補助金|使える制度・使えない制度と資金調達の方法

※参照:令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業 公募要領(2026年9月)p.2/環境共創イニシアチブ

低圧の蓄電所を複数まとめて持つことはできますか?

同じ会社が低圧の蓄電所を複数の区画で持つこと自体は、禁じられていません。
ただし、隣り合う土地や近くの土地に設ける場合は設置者や地権者の名義が別でも、実態で1つの設備とみなされれば低圧分割の対象です(2026年11月時点)。
判断の条件と国の見直しの案は、低圧分割と判断されると連系できないで取り上げました。

低圧系統用蓄電池の投資についてまとめ

投資を決める前に確かめる5つの順番(連系の見通し、受付と契約、試算の前提、機器と保証、出口)
確かめる順番(2026年11月時点)

低圧の蓄電所への投資を決める前に、次の5つを順に確かめます。

  1. 連系の見通し(連系の承諾と運転開始の時期)
  2. アグリゲーターの受付と契約の形(手数料の決め方・契約期間)
  3. 試算の前提と時点(上限価格の引き下げを反映しているか)
  4. 機器と保証(容量保証の期間)
  5. 出口(売却や撤去の条件)

連系の見通しとアグリゲーターの契約は、試算の数字より先に確かめます。
この2つの見通しが立たない案件は、試算の利回りが高くても収入が入りません。

チクデンでは、次のようなご相談に対応しています。

  • 低圧の蓄電所の購入を検討しているが、案件を販売している会社を紹介してほしい
  • 土地・権利は持っているが、開発するためのEPC事業者を紹介してほしい

低圧の蓄電所に使える土地をお持ちの方は、土地を貸す・売るときの条件と流れを下記記事で解説しています。
関連記事:低圧系統用蓄電池の土地に必要な広さ・設置の条件と土地を貸す場合の注意点
関連記事:系統用蓄電池の用地募集|土地を売る・貸す前に知りたい条件・相場・流れ

土地・権利をお持ちの方のご相談も受けています。

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