|
【一覧付き】系統用蓄電池に対応するEPC会社を紹介|比較ポイントも解説
系統用蓄電池事業では、EPC(Engineering・Procurement・Construction)が設備の設計・調達・施工を担う重要なパートナーです。蓄電池設備だけでなく、PCS(パワーコンディショナー)やEMS(エネルギーマネジメントシステム)、受変電設備、系統連系まで含めて対応するケースが多く、事業化の成否にも大きく関わります。
一方で、EPC会社ごとに対応できる設備規模や得意分野は異なります。そのため、自社の案件に適したEPC会社を比較・選定することが重要です。
この記事では、系統用蓄電池に対応する主なEPC会社の特徴や強み、比較ポイント、そもそもEPCとは何かなど詳しく解説します。
>>系統用蓄電池に対応する主なEPC会社一覧
本一覧は、各社の公式サイトなどで系統用蓄電池に関するEPC、施工、システム構築等の対応を確認できた事業者を掲載しています。掲載順は推奨順位ではありません。実際の対応可否や対応範囲は、設備規模、地域、連系条件などによって異なります。
系統用蓄電池に対応する主なEPC会社一覧
ここから、系統用蓄電池に対応する主なEPC会社を紹介します。
EPC会社は、同じ強みを持っているわけではありません。
例えば、大規模な特別高圧案件を得意とする会社、高圧案件を中心に豊富な施工実績を持つ会社、特定メーカーとの連携に強みを持つ会社、設計から施工後のO&M(運用・保守)まで一貫対応できる会社など、それぞれ特徴が異なります。
「知名度が高い会社だから安心」という視点だけではなく、検討している設備規模や事業計画との相性を踏まえて比較することが重要です。
テス・エンジニアリング株式会社

特徴
・事業用地の開発、確保から電力設備、EPC、O&M、運用管理までワンストップで対応
・複数の蓄電池メーカーとのネットワークを活かし、条件に合うコストを考慮した機器選定
・高圧・特別高圧分野での再エネ発電所開発の実績ノウハウを基に事業設計
テス・エンジニアリング株式会社は、省エネルギー・再生可能エネルギー分野で豊富な実績を持つ企業です。
系統用蓄電池事業では、事業用地の開発・確保から、EPC(設計・調達・施工)、O&M(オペレーション&メンテナンス)、運用管理(アグリゲーション)までワンストップで提案してくれる体制を構築しています。
また、特定メーカーに依存しないベンダーフリーの立場になり、複数の蓄電池メーカーとのネットワークを活かしながら、案件条件や事業計画に応じた蓄電池メーカーや機器選定をしてもらえる点が特徴です。
高圧・特別高圧の再生可能エネルギー発電所開発で培った知見で、用地条件や系統制約を踏まえた事業設計にも対応しています。
| 事業概要 | コージェネレーションシステムを始めとした、各種環境・省エネ対策システム等導入の為の事業所診断、設計、調達、施工、メンテナンス、24時間監視システム、エネルギーマネジメントシステムによる運用管理サポート、エネルギー供給サービス、小売電気事業、発電事業 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 公式サイト | https://www.tess-eng.co.jp/ |
株式会社グリーンエナジー&カンパニー

特徴
・グループ会社がEPC(設計・調達・施工)とO&M(運転・保守)を担い、導入から運用までワンストップでサポート
・系統に接続する蓄電池の開発から運用までをサポート
・独自の蓄電所「GX-Pack」を展開し、安定収益を目指すサービスを提供
株式会社グリーンエナジー&カンパニーは、グループ会社を通じて太陽光発電や系統用蓄電池などのGX事業を展開しています。
系統用蓄電池分野では、独自ブランド「GX-Pack」を提供し、用地開発からEPC(設計・調達・施工)、O&M(運転・保守)までをグループ会社と連携しながらワンストップで提供しています。
これにより、複数の事業者へ個別に依頼する手間を抑えながら、プロジェクト全体を進められる点が特徴です。
また、全国で系統用蓄電所の開発を進めており、設備導入だけでなく、用地開発を含めた事業計画の初期段階から相談できる体制を整え、案件条件に応じた設備構成や施工計画を提案しています。
| 事業概要 | GX関連企業で構成されるグループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 公式サイト | https://green-energy.co.jp/ |
東芝プラントシステム株式会社

特徴
・発電所や受変電設備などの社会インフラ建設で培った技術力を持つ
・世界各社の製品を活かしたEPCC実績多数
・安心・安全をコンセプトに徹底した高品質のサービス
東芝プラントシステム株式会社は、発電所や受変電設備などの社会インフラ建設で培った技術力を強みに、設計・調達・施工・試運転までを一括して担うEPCC事業を展開しています。
火力発電所や電力変電設備などで数多くのプロジェクトを手掛けており、世界各社の製品を活用したEPCC実績を有している点が特徴です。
また、安心・安全をコンセプトに、品質管理や安全管理を徹底した高品質なサービスを提供。
長年にわたり培ってきた大規模電力設備のエンジニアリング力を活かし、プロジェクト全体を統括できる体制を構築しています。
| 事業概要 | 火力発電設備、原子力事業、電力変電系統設備、上下水道設備、官公庁・ビル設備、道路・鉄道・空港設備、製造プラント、太陽光発電、クリーンエネルギー発電、ICTソリューション |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(東北・中部・関西・九州など全国の支社・拠点で対応) |
| 公式サイト | https://www.toshiba-tpsc.co.jp/ |
RE100電力株式会社(日本エネルギー総合システム)

特徴
・系統用蓄電池の設計・調達・施工(EPC)に対応
・EPCに加え、アグリゲーションやO&Mまで提供する体制を構築
・再生可能エネルギーの可能性を追求する企業
RE100電力株式会社は、日本エネルギー総合システムのグループ会社です。
再生可能エネルギーの普及・拡大を目指し、系統用蓄電池事業を展開しています。
EPC分野では、系統用蓄電池の設計・調達・施工に対応し、蓄電所の構築を支援しています。
また、EPCだけでなく、アグリゲーションやO&M(運転・保守)まで提供する体制を整えており、設備導入後の運用まで見据えたサポートを受けられる点が特徴です。
系統用蓄電池事業では、建設だけでなく運用フェーズも収益性や安定稼働に影響するため、EPCと運用支援をあわせて相談できる体制は大きな強みです。
| 事業概要 | アグリゲーション事業、プラットフォーム事業、電力事業 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 公式サイト | https://www.re100-denryoku.jp/ |
株式会社ライフワン

特徴
・太陽光発電の経験を活かした自社一貫サポート
・中立的な立場で案件条件に応じたシステムを提案し、収益性と安定性を両立
・信頼できるアグリゲーターとの連携により導入後も支援
株式会社ライフワンは、太陽光発電事業で培った豊富な施工・開発ノウハウを活かし、系統用蓄電池事業では計画立案から設備選定、施工、運用開始までを自社一貫体制で支援しています。
EPCでは、土地選定や設備構成の検討、機器調達、施工管理までワンストップで対応し、仲介会社を介さない体制により品質や透明性の確保に取り組んでいる点が特徴です。
また、特定メーカーに依存しない中立的な立場から、案件ごとの条件に応じた最適なシステムを提案し、収益性と安定性の両立を目指しています。導入後は信頼できるアグリゲーターと連携し、運用面までサポートを提供しています。
| 事業概要 | 中古マンション買取再販、ネット通販・リフォーム、リニューアル工事、ビジネスマッチング、再生エネルギー、パートナーシップ、宿泊施設運営 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(全国11か所の工事拠点、専属スタッフを含む39か所の施工ネットワークを展開) |
| 公式サイト | https://www.lifeone.jp/ |
株式会社シールエンジニアリング

特徴
・用地確保から設計・施工・運用(O&M)までワンストップ支援
・系統条件や制御方式まで含めたPCS・EMSの最適統合設計を行う
・外注任せにしない体制で品質管理を重視している
株式会社シールエンジニアリングは、系統用蓄電池事業において、用地確保から設計、機器調達、施工、運用・保守までをワンストップで支援するEPC事業者です。
設備設計では蓄電池やPCS、EMSを個別に選定するだけでなく、接続先の系統条件や想定する制御方式を踏まえ、システム全体の最適化を図っています。
また、主要な工程を外注任せにせず、自社が主体となって設計・施工管理を行うことで、品質管理や工程管理を徹底している点も特徴です。設備の完成だけを目的とせず、運用開始後の安定稼働まで見据えた体制を整えています。
| 事業概要 | 系統用蓄電池、FIP転化 |
|---|---|
| 対応エリア | 非公開(要問い合わせ) |
| 公式サイト | https://www.sealengineering.co.jp/ |
TAOKE ENERGY株式会社

特徴
・蓄電池・PCS・自社開発EMS・遠隔監視システムを組み合わせたシステムを提供
・系統用蓄電所の設計・調達・施工からO&Mまでワンストップで対応
・自社開発EMSと遠隔監視システム「SmartOM」を活用したシステムインテグレーションを強みとする
TAOKE ENERGY株式会社は、系統用蓄電池事業において、設計・調達・施工(EPC)から運用・保守(O&M)までをワンストップで提供する事業者です。
蓄電池設備の供給に加え、PCSや自社開発のEMS、遠隔監視システム「SmartOM」を組み合わせたシステムインテグレーションを強みとしており、設備全体を最適化した蓄電所の構築を支援しています。
また、自社開発のEMSにより、蓄電池やPCSの制御・監視を一元管理できる体制を整え、導入後の安定運用も見据えたサポートを提供しています。
設計から運用まで一貫して対応できる体制を備えているため、設備構成や運用まで含め相談可能です。
| 事業概要 | 産業用リン酸鉄リチウムイオン蓄電池システムの開発、製造、販売、EMS、蓄電池遠隔監視システムの開発、系統用蓄電所の開発 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(東京・大阪・福岡に拠点を構え、全国各地の系統用蓄電池プロジェクトに対応) |
| 公式サイト | https://www.taoke-energy.com/ |
株式会社サンヴィレッジ

特徴
・系統用蓄電所の施工実績多数
・電力系統に直接接続する大規模な蓄電システムの設計、資材調達、建設を一貫して担う
・経年劣化した設備の出力を最大化し、長期的な資産価値と収益性の向上を図る
株式会社サンヴィレッジは、太陽光発電事業で培ったノウハウを活かし、系統用蓄電所向けのEPC事業を展開しています。
電力系統に直接接続する蓄電システムを対象に、設計・資材調達・建設までを一貫して担う体制を構築しており、系統用蓄電所の施工実績を有しています。
また、蓄電所の新設だけでなく、経年劣化した設備の出力最大化や長期的な資産価値の維持・向上を見据えた提案にも対応している点が特徴です。
設備の導入から長期運用までを視野に入れたEPCサービスを提供しています。
| 事業概要 | 発電事業、EPC事業、アグリゲーター事業、ソーラーシェアリング事業、電気小売事業 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(各地に営業所あり) |
| 公式サイト | https://sunvillage-co-ltd.com/ |
系統用蓄電池EPCとは
系統用蓄電池事業では、土地の選定や系統連系、設備構成、施工、運用まで多くの工程が発生します。そのなかで、設備の設計・調達・施工を中心に担うのがEPC会社です。
EPCは単に工事を行うだけではありません。蓄電池システム全体を設計、必要な機器を調達し、工事を進める役割を担うため、事業化における重要なパートナーです。施工品質や工程管理はもちろん、系統用蓄電池の施工実績や関係事業者との連携体制によって、プロジェクト全体の進めやすさにも影響します。
EPCの役割
EPCとは、Engineering(設計)・Procurement(調達)・Construction(建設・試運転)の頭文字を取った言葉です。
それぞれの役割は以下のとおりです。
Engineering(設計):設備構成やレイアウト、電気設計、系統連系に向けた設計を行う
Procurement(調達):蓄電池、PCS、EMS、受変電設備など、必要な機器を調達
Construction(建設・試運転):基礎工事や設備据付、電気工事、試運転までを実施し、設備を完成させる
系統用蓄電池は多数の設備を組み合わせて構築する大規模なシステムのため、各工程を一元的に管理できるEPC会社の存在が重要です。
※参照:EPC (Engineering, Procurement, and Construction)/一般社団法人 電力土木技術協会
系統用蓄電池事業でEPCが担当する業務
系統用蓄電池事業では、EPC会社が担当する業務は施工だけにとどまりません。
主な業務には、次のようなものがあります。
- 蓄電池システム全体の基本設計・詳細設計
- 蓄電池、PCS、EMSなど設備機器の選定・調達
- 土木工事・基礎工事・電気工事
- 受変電設備や系統連系への対応
- 試運転・運転開始(運開)に向けた各種調整
- 必要に応じた補助金申請と各種手続きの支援
- O&M会社やアグリゲーターとの連携
実際には会社や契約範囲によって異なるため、「どこまでをEPC会社が担当するのか」を契約前に確認することが大切です。特に、系統連系や施工後の保守まで対応しているかどうかは、比較時の重要なポイントです。
EPC選定が重要な理由
EPC会社の選定は、設備の品質や工事費用、運転開始までのスケジュールに影響します。
系統用蓄電池では、蓄電池だけでなく、PCSやEMS、受変電設備などを組み合わせて設計し、電力系統へ適切に接続する必要があります。設計や機器選定が案件条件に合っていない場合、設備の変更や追加工事が必要となり、費用の増加や運転開始の遅れにつながる可能性があります。
また、EPC会社によって、系統連系の支援範囲や施工後の保証、O&Mへの対応は異なります。
そのため、見積金額だけで判断せず、類似案件の施工実績や対応範囲、保証・保守体制を比較することが重要です。
EPCとメーカー・アグリゲーター・O&M会社の違い
系統用蓄電池事業には、EPC以外にも複数の専門事業者が関わります。
| 事業者 | 主な役割 |
|---|---|
| EPC | 設備の設計から必要機器の調達、建設・試運転までを一括して担い、設備を完成・引き渡す |
| メーカー | 蓄電池やPCSなどの機器を開発・製造・供給 |
| アグリゲーター | 蓄電池の充放電を制御し、卸電力市場や需給調整市場などへの取引・運用を担う事業者 |
| O&M会社 | 設備の点検・監視・障害対応などを行い、安定稼働を支える事業者 |
系統用蓄電池事業では、1社が複数の役割を担うこともありますが、複数の事業者が連携して進めるのが一般的です。
例えば、EPCが施工した設備をO&M会社が保守し、アグリゲーターが充放電を制御して市場で運用するという形です。
案件ごとに最適なEPC、メーカー、アグリゲーター、O&M会社の組み合わせは異なるため、複数の事業者を比較しながら検討を進めることが重要です。
※参照:電力の需給バランスを調整する司令塔「アグリゲーター」とは?/経済産業省 資源エネルギー庁
EPC会社を比較するときのポイント
系統用蓄電池事業では、EPC会社によって対応できる設備規模や施工範囲、技術力が異なります。そのため、見積金額だけで判断するのではなく、施工実績や技術力、運開後のサポート体制まで含めて比較することが重要です。
ここでは、EPC会社を選定する際に確認しておきたい主なポイントを詳しく解説します。
系統用蓄電池の施工実績
まず確認したいのが、系統用蓄電池の施工実績です。その会社が実際に安全かつ確実に設備を完成させた経験があるかを判断できます。
系統用蓄電池は一般的な電気設備工事や太陽光発電設備の施工経験があっても、設備構成や系統連系、安全対策などで異なるノウハウが求められます。
- 系統用蓄電池の施工件数・容量
- 高圧・特別高圧案件への対応実績
- 類似規模のプロジェクト経験
- EPC一括受注の実績
- 電力会社との系統連系対応の経験
など
施工実績が豊富な会社であれば、想定外のトラブルへの対応力や工程管理のノウハウを持っている可能性があります。一方で、実績だけでは判断できないため、自社の案件規模や条件との適合性もあわせて確認することが大切です。
対応できる設備規模
EPC会社によって、対応可能な設備規模は異なります。
計画している蓄電池設備を問題なく施工できる技術力・体制があるかを判断するため、必ず見ておきましょう。
例えば系統用蓄電池では、低圧・高圧・特別高圧で必要となる設備や手続き、施工体制が変わります。特別高圧案件では、より高度な設計や施工管理、関係各所との調整が必要になるため、対応実績のあるEPC会社を選ぶことが重要です。
- 対応可能な電圧区分
- 最大対応容量
- 大規模案件の施工実績
- 将来的な設備増設への対応可否
など
現在の計画だけでなく、将来的な事業拡大も見据えて選定すると、長期的なパートナーとして相談しやすいでしょう。
系統連系・PCS・EMSへの対応力
蓄電池設備を電力系統と適切に接続し、安定して運用できる技術力があるかを判断しましょう。
系統用蓄電池は設備を建設するだけではなく、電力会社の要件を満たして系統連系を実現し、PCSやEMSを適切に組み合わせて性能を発揮させる必要があります。
そのため、EPC会社の対応力はプロジェクトの品質やスケジュールに大きく影響します。
- 系統連系の申請・協議経験
- 採用するPCSメーカーの種類
- 試運転や運開までのサポート体制
- PCS・EMSと蓄電池の統合設計・試運転の実績
特にアグリゲーターとの連携を前提とする案件では、EMSとの接続実績も重要な比較ポイントになります。
想定する収益モデルや運用方針によって求められる設備要件は異なるため、利用予定のアグリゲーターが指定するEMSや通信仕様に対応できるか、PCS出力や蓄電池容量が運用方針に適した設計になっているかを事前に確認することが重要です。
また、性能試験や受入試験の内容、運開後に性能が計画値を下回った場合の責任分界や対応範囲についても、契約前に確認しておくことが大切です。
連携メーカー・保証・保守体制
設備の信頼性と、長期的な安定運用を確保できるかを判断することが大切です。
系統用蓄電池は20年前後の長期運用を前提とするため、建設時の品質だけでなく、運開後のサポート体制も重要です。
EPCによっては、特定の蓄電池メーカーやPCSメーカーとの協業体制を持ち、保証対応や保守サービスまで一貫して提供しているケースがあります。
- 提携している蓄電池・PCSメーカー
- 製品保証の内容・期間
- 定期点検や緊急対応の体制
- O&M会社との連携状況
- 故障時のサポート体制
設備価格だけでなく、保証範囲や保守内容まで比較することで、運用開始後のリスクも把握しやすいです。
工期・見積もり・補助金対応
工期・見積もり・補助金対応に関してみておくと、プロジェクトを計画どおりに進め、事業性を高められるかを判断できます。
また、見積金額だけを見るのではなく、その内訳や工期も確認することが重要です。
例えば同じ金額に見えても、設計費や系統連系対応、試運転費用、保守費用などが含まれているかどうかで、実際の総コストは変わる場合があります。
- 見積書の内訳が明確か
- 工期や運開予定時期
- 追加費用が発生する条件
- 補助金申請の支援実績
- 必要書類の作成サポート
補助金を活用する場合は、申請要件やスケジュールを理解したEPC会社を選ぶことで、手続きを円滑に進められる可能性があります。ただし、補助金は採択が保証されるものではないため、補助金が利用できない場合も想定した事業計画を立てることが大切です。
向いているのはどっち?大手EPCと中小EPCの違い
系統用蓄電池事業では、「大手EPCと中小EPCのどちらを選ぶべきか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
結論からいえば、どちらが優れているとは一概にはいえません。案件の規模や求めるサポート内容によって、適したEPC会社は異なります。
ここでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
大手EPCの特徴
- 大規模案件や特別高圧案件への対応実績が豊富
- 設計・施工・品質管理の体制が整っている
- 全国エリアに対応しているケースが多い
- 金融機関や大手企業との取引実績が豊富
- 複数メーカーの機器を取り扱い、案件に応じて選定できる場合が多い
大手EPCは全国規模で事業を展開し、多数の施工実績を持つ企業が多い傾向にあります。大規模プロジェクトに対応できる体制や、豊富な人員を備えている点が特徴です。
一方で、大型案件を中心に受注している企業では、小規模案件や個別要件への対応が限定的な場合もあります。案件状況によってはスケジュール調整に時間を要することもあるため、早い段階で相談することが重要です。
中小EPCの特徴
- 案件ごとに柔軟な提案を受けられる場合がある
- 意思決定が比較的早く、個別対応しやすい
- 特定の設備や施工分野に強みを持つ企業もある
- 地域密着型で現地対応に強いケースがある
- 顧客との距離が近く、相談しやすい場合がある
中小EPCは大手ほどの知名度はなくても、系統用蓄電池や再生可能エネルギー分野に特化した技術力を持つ企業も多くあります。
一方で、対応できる設備規模やエリアには違いがあります。施工実績や保守体制、人員体制などは会社によって差があるため、事前に確認しておくことが重要です。
EPCへ相談する前に整理しておきたいポイント
EPC会社へ相談する前に、自社の検討状況を整理しておくと、より具体的な提案や概算見積もりを受けやすくなります。
もちろんすべての情報が揃っている必要はありません。しかし、事前に整理できている項目が多いほど、設備構成やスケジュール、概算費用などを現実的な条件で検討できます。
ここでは、相談前に確認しておきたい主なポイントを紹介します。
土地の所在地・面積・造成状況
系統用蓄電池事業では、土地の条件が事業化の可否に大きく影響します。
土地があるからといって、必ず設置できるとは限りません。用途地域や接道状況、造成の必要性、周辺環境などを総合的に確認する必要があります。
以下の情報があれば、EPCも設置の可能性や必要な工事内容を検討しやすいです。
- 土地の所在地
- 土地の面積、形状
- 地目・用途地域
- 接道状況(工事車両の侵入可否など)
- 現在の利用状況(更地・農地など)
- 造成の有無や必要性
- 土地の所有形態(所有・賃借など)
系統連系の申請状況
系統用蓄電池は、電力系統へ接続できなければ事業化できません。
そのため、系統連系に関する状況は、EPC会社へ伝えるべき重要な情報の一つです。
まだ申請前であっても問題ありません。その場合は、EPC会社と相談しながら申請スケジュールを検討することも可能です。
- 接続検討申請の有無(未申請・申請済など)
- 連系協議の進捗状況
- 連系可能容量
- 工事負担金の有無・換算金額
- 想定している運転開始時期・希望連携時期
希望容量・設備
導入を検討している設備のイメージがある場合は、あわせて共有すると提案を受けやすいです。
まだ設備構成が決まっていない場合でも、「投資予算に応じて提案してほしい」「高圧案件を前提に相談したい」といったレベルで問題ありません。EPC会社から複数の設備構成案を提案してもらえる場合もあります。
- 希望する蓄電池容量
- 受電区分の希望(高圧・特別高圧など)
- 採用を検討している蓄電池・PCSメーカー
- PCSやEMSへの希望
- 将来的な設備増設の予定
運開スケジュール
いつまでに運転開始(運開)したいかも、EPC会社が施工計画を立てるうえで重要な情報です。
希望する運開時期が決まっている場合は、スケジュールを伝えることで、実現可能な工程や準備すべき事項について具体的なアドバイスを受けられます。
工期は設備規模や機器の調達状況、連系協議の進捗などによって変動するため、余裕を持ったスケジュールで検討することが大切です。
- 事業計画・用地選定
- 系統連系協議・接続契約
- 許認可・各種届出
- 設備設計
- 機器調達
- 土木・電気工事
- 試運転・性能確認
- 商業運転開始(COD)
資金計画・補助金活用の有無
資金計画も、EPC会社へ相談する際に共有しておきたい項目です。
事前に下記のような内容がわかると、予算に応じた設備構成や事業計画を提案してもらいやすくなります。
- おおよその投資予算
- 自己資金と融資の割合
- 補助金の活用を検討しているか
- リースやファイナンスの利用予定
- 希望する事業開始時期
また、補助金を活用する場合は、対象設備や申請スケジュール、必要書類などを事前に確認する必要があります。ただし、補助金は採択が保証されるものではないため、補助金を利用できないケースも想定した資金計画を立てることが重要です。
系統用蓄電池のEPCに関するよくある質問
ここでは、系統用蓄電池のEPCに関する質問について回答していきます。
EPCは複数社へ相談したほうが良い?
複数のEPC会社へ相談することをおすすめします。
系統用蓄電池事業では、EPC会社によって提案内容や対応範囲が異なります。同じ案件であっても、採用する蓄電池メーカーやPCS、設備構成、工期、保守内容、見積金額に違いが生じることがあります。
1社だけの提案で判断するのではなく、複数社を比較することで、自社の事業計画に適したEPC会社を選びやすくなります。
比較する際は、以下のような点も確認すると良いでしょう。
- 設備構成や設計内容
- 系統連系への対応実績
- 保証・O&M体制
- 提携メーカー
- 工期やスケジュール
- 補助金対応の有無
EPCと施工会社の違いは何?
簡単に言うと施工会社は工事をする会社、EPCは施工だけではなく、設備の設計・機器調達・施工まで一括で責任を持つ会社です。
系統用蓄電池事業では、蓄電池設備だけでなく、PCSやEMS、受変電設備、系統連系など、複数の設備や工程を一体的に調整・管理する必要があります。
そのため、設備設計から機器調達、施工、試運転までを一括して担うEPC会社へ依頼するケースが一般的です。
EPCはどのタイミングで相談するべき?
用地や事業の方向性が固まり始めた段階など、できるだけ早い段階で相談することをおすすめします。
土地を取得してから相談する考えの方もいますが、実際には土地の条件や系統連系などスケジュールの状況によって事業化できないケースもあります。
EPCには、以下のような段階でも相談可能です。
- 系統用蓄電池事業への参入を検討し始めた段階
- 候補となる土地を探している段階
- 土地はあるが事業化できるか知りたい段階
- 収益シミュレーションや概算費用を確認したい段階
- 複数のEPC会社を比較したい段階
早い段階から相談することで、土地条件や設備規模、スケジュールなどについて専門的なアドバイスを受けやすいです。
EPC選びでよくある失敗例は?
EPC選びでは、価格だけを基準に判断した結果、後から想定外の課題が見つかるケースがあります。
代表的な失敗例
・見積金額だけで選び、追加工事費が発生した
・系統用蓄電池の施工実績が少ない会社を選んでしまった
・保証内容やO&M体制を十分に確認していなかった
・アグリゲーターやEMSとの連携を考慮していなかった
・1社だけの提案で判断し、比較検討を行わなかった
系統用蓄電池事業では、設備価格だけではなく、施工品質や運用開始後のサポート体制も重要です。契約前には、提案内容や保証範囲、施工実績、保守体制などを総合的に比較しましょう。
系統用蓄電池のEPC一覧まとめ
系統用蓄電池事業では、EPC会社が設備の設計・調達・施工を担い、事業化を支える重要な役割を果たします。
>>系統用蓄電池に対応する主なEPC会社一覧
しかしEPC会社ごとに施工実績や対応できる設備規模、提携メーカー、保守体制などは異なるため、どの会社が最も優れているか一律に判断することはできません。
また、収益性や事業性は、設備構成や市場環境、運用方法などによって変わるため、1社だけの提案で判断するのではなく、複数の事業者を比較しながら検討を進めることが大切です。


