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系統用蓄電池の市場規模|国内の現状と2030年の予測
国内では系統用蓄電池の開発や事業への参入が増えており、2030年に向けてさらなる市場規模の拡大が予測されています。
背景には再生可能エネルギーの普及に加え、収益機会の多様化や国の導入支援があります。
ただし、市場の拡大により個別案件の収益性が保証されるわけではありません。
本記事では、系統用蓄電池の市場規模や拡大の背景、事業機会、参入時の注意点を解説します。
>>まず系統用蓄電池の市場規模を見る
系統用蓄電池の市場規模

系統用蓄電池は再生可能エネルギーの普及に伴い、電力需給のバランスを調整する役割として注目を集めています。
国内市場は今後も大きな成長が見込まれており、2030年には累計導入容量、市場金額ともに拡大すると予測されています。
国内市場の現状
国内の系統用蓄電池市場は、導入案件が増え、拡大傾向にあります。
民間調査会社の矢野経済研究所が公表したデータによると、2024年時点で蓄電所ビジネスの市場規模は約450億円と推計されています。※1
また2025年9月末時点で、実際に運転を開始し、電力系統に連系(接続)されている稼働済みの設備容量は約50万kWです。
前年の同時期には稼働済み容量は約10万kWにとどまっていましたが、1年間で約5倍に急増しています。※2
※1参照:蓄電所ビジネス市場に関する調査を実施(2025年)|株式会社矢野経済研究所
※2参照:電力ネットワークの次世代化について|資源エネルギー庁、系統⽤蓄電池の迅速な系統連系に向けて|資源エネルギー庁
2030年の市場予測
国内市場は、2030年に向けて導入量と市場金額ともに拡大が予測されています。
【累計導入量の予測】
経済産業省によると、2030年度における系統用蓄電池の導入見通しは、累計で14.1〜23.8GWhになると公表されています。※1
注意すべき点は、この数字は国が確定させた導入目標ではなく、一定の仮定を置いて算出された見通しであることです。
今後の政策や電力市場の動向、開発の歩留まりによって変動するリスクはありますが、現在の稼働水準から比較すると、市場全体が大きく成長していく見通しです。
【市場金額の予測】
矢野経済研究所が2026年1月20日に発表した予測によると、2030年度の蓄電所ビジネス市場規模(単年度の市場金額)は、4,240億円へ急拡大すると見込まれています。※2
なお、この市場金額は事業者収入ベースで推計されたものです。
つまり再生可能エネルギーの普及に伴って蓄電所の需要が拡大し、電力卸市場(JEPX)や需給調整市場などの電力取引を通じて事業者が得る運用収益の規模がそれだけ大きくなっていくことを示しています。
※1参照:系統用蓄電池の現状と課題(2024年5月29日)|資源エネルギー庁
※2参照:蓄電所ビジネス市場に関する調査を実施(2025年)|株式会社矢野経済研究所
系統接続の申込状況
系統用蓄電池を事業化するためには、電力会社の送配電網に接続するための手続きが必要です。
系統用蓄電池の接続検討申し込み件数は2022年度から急増しており、2025年9月末時点で接続検討を受け付けた設備容量は累計約15,900万kWです。
また電力会社に対する接続契約申し込み容量は約2,400万kWに達しており、前年に比べると約3.9倍も増えています。
接続検討申し込みの増加は、系統用蓄電池事業への参入意欲が高まっていることを示しています。
しかし、同時点で実際に運転を開始している連系済の系統用蓄電池は約50万kWにとどまっています。※
この大きな差が示す通り、申し込み容量のすべてが将来稼働するわけではありません。
特に接続検討や契約申し込みの段階には開発初期の案件が多く含まれており、土地の確保や造成の難航、接続時期の長期化、資金調達の成否、想定以上の工事負担金の発生、収益性の問題から、運転開始に至らないケースも存在します。
※参照:電力ネットワークの次世代化について|資源エネルギー庁
系統用蓄電池の市場規模が拡大する背景
系統用蓄電池の市場規模が拡大している理由は、単に「環境のために蓄電池が必要とされているから」だけではありません。
市場拡大の背景には、調整力需要の増加により蓄電池に収益機会が生まれ、さらに国の支援が企業の投資を後押ししているという一連の流れがあります。
再生可能エネルギー拡大で調整力の需要が増加
系統用蓄電池が必要とされている最大の理由は、電力系統における調整力の需要が増加しているためです。
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が大きく変動します。
電力系統では需要と供給のバランスを常に一致させる必要があり、再生可能エネルギーが普及するほど需給のズレが生じやすくなります。
このような背景から電気が余っている時間帯に充電し、不足している時間帯に放電することで、需給バランスを調整する系統用蓄電池の重要性が高まっています。
また、将来的には以下のような要因からもニーズが増えると考えられています。
- ペロブスカイト太陽電池をはじめとする、新たな再生可能エネルギーの普及
- AIやデータセンターの拡大に伴う電力需要の増加
- 特定エリアでの電力消費の偏り
- 送配電網の混雑や系統制約の発生
ただし、AIやデータセンターが増加すれば必ず系統用蓄電池の導入量も増えるわけではありません。
系統用蓄電池は、あくまで電力需要の変動や系統制約に対応するための手段の一つとして位置付けられています。
電力市場の整備により収益機会が多様化
企業が系統用蓄電池事業へ投資する主な理由は、建設後の運用を通じて継続的に収益を得られる可能性があるためです。
単なる設備投資ではなく、電力取引を活用した事業として成立する見込みがあることが参入を促しています。
系統用蓄電池の運用による主な収益源には、以下の3つがあります。
- 卸電力市場: 電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで、その価格差を収益とします。
- 需給調整市場: 電力系統のバランスを保つための調整力となり、その役割に応じた対価を得ます。
- 容量市場: 将来の電力供給力を確保するための市場であり、一定の条件を満たした供給力に対して対価が支払われます。
これらの市場を組み合わせることで多様な収益機会を見込めるため、多くの企業が蓄電所の開発や保有、運営に資金を投じています。
しかし収益源があることと、必ず利益が出ることは別物だと考える必要があります。
>>なぜ市場規模の拡大と収益性は別に考える必要があるのかを見る
また各市場について詳しく知りたいという方は、こちらもぜひ参考にしてください。
国の政策による導入支援
系統用蓄電池への投資が活発化しているもう一つの理由は、国による強力な政策支援です。
設備導入には多額の初期費用がかかりますが、補助金をはじめとする支援制度を活用すれば負担を軽減でき、企業の新規参入へのハードルを下げられます。
具体的には、以下のような政策支援や方針が展開されています。
- 系統用蓄電池の導入に対する補助金制度
- GX(グリーントランスフォーメーション)関連の投資支援
- 蓄電池産業の国内基盤強化に向けた施策
- 脱炭素電源への投資を促す制度設計
- 再生可能エネルギーの導入や系統安定化を進める国の方針
例えば東京都においても、東京電力管内の電力系統に直接接続する大規模蓄電池の導入支援として、令和8年度は以下の内容で助成事業が実施されています。
(1)助成対象事業
大規模蓄電池を活用し、再生可能エネルギーの有効活用や普及拡大、電力バランスの改善に寄与する事業
※交付決定年度から起算して9年目までに完了すること
(2)助成対象事業者
都内に登記簿上の本店又は支店を有している法人(ただし、一般送配電事業者を除く)
(3)助成対象設備東京電力管内の電力系統に直接接続する蓄電システム
(4)助成率・助成上限額助成率
助成対象経費の3分の2以内【注】
(国等の補助金と併給する場合でも、合計3分の2以内)
助成上限額
20億円
【注】EVバッテリーをリユースする場合は4分の3以内
(5)主な助成要件
- 電力系統側への定格出力が1,000キロワット以上の設備であること
- 都の要請に応じて、電力需給ひっ迫時における東京電力管内への電気の供給に努めるものであること
- 法令、規程、東京電力との系統連系協議等に基づいた適切な対策等を実施するもの 等
引用:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」 令和8年度助成事業を開始します|My TOKYO
蓄電池が国の成長戦略やエネルギー政策において極めて重要な分野に位置付けられていることも、企業が中長期的な投資判断を下す上での安心材料となっています。
ただし、補助金は必ず採択されるものではありません。
対象となる年度や設備要件、補助率、申請条件などは制度ごとに異なるため、事業検討時には最新の公募要領を確認し、専門事業者に相談しながら検討を進めることが現実的です。
系統用蓄電池の市場拡大で生まれる事業機会
系統用蓄電池の市場が拡大するにつれて、関連する幅広い事業領域で新たな参入機会が生まれています。
プロジェクト工程や役割ごとに、具体的にどのような事業機会が存在するのかを解説します。
蓄電所の開発・運営
系統用蓄電所そのものを事業化し、プロジェクトを主導します。
具体的には以下のような工程を担います。
- 用地や系統接続の条件を調査する
- 事業計画を作成する
- 資金を調達する
- EPC事業者(設計・調達・施工を担う会社)やメーカーを選定する
- 蓄電所を建設する
この領域における事業モデルは、大きく2つにわかれます。
一つは、完成後に自社で蓄電所を保有・運営し、市場での運用を通じて継続的に収益を得る方法です。
もう一つは、開発を完了させた蓄電所を投資家に売却して開発利益を確保します。
用地の確保・活用
系統用蓄電所を設置するための用地を発掘し、案件として開発する事業機会です。
具体的には以下の業務を行います。
- 蓄電所を設置できる土地を探す
- 土地所有者と売却・賃貸条件を交渉する
- 接道状況や造成工事の必要性を確認する
- 法令や用途地域などの法規制を確認する
- 電力網への系統接続の可能性を確認する
- 整理した用地情報を開発事業者へ提案する
また土地の広さがあるだけでは、必ずしも蓄電池の設置に向いているとは限りません。
系統連系の空き容量や近隣の環境条件などによって事業化が難しい場合もあるため、不動産の知識に加えて電力系統に関する専門的な調査スキルが求められる事業領域です。
蓄電設備の供給
蓄電所の増加に伴い、関連機器や設備を供給する事業にもビジネスチャンスが広がっています。
系統用蓄電所には、以下のような設備が必要です。
- 蓄電池本体および蓄電池コンテナ
- PCS(パワーコンディショナ:電力変換装置)
- EMS(エネルギー管理システム:充放電の制御システム)
- BMS(バッテリーマネジメントシステム:電池の状態監視)
- 変圧器といった受変電設備
- 空調設備や消火設備などの安全対策機器
市場の拡大に伴い、蓄電池本体だけでなく、直流から交流への電力変換、システムの制御、さらには温度管理や安全対策に必要な周辺設備の需要も同時に増加します。
建設・保守
蓄電所を物理的に完成させ、稼働後も維持・管理するための事業です。
主にEPC事業者やO&M(運用・保守)会社が担い、以下の業務が含まれます。
<完成までの建設業務>
- 設備の設計および機器調達
- 基礎づくりなどの土木・造成工事
- 蓄電池や機器の設置、電気工事
- 電力網への系統連系工事
- 稼働前の試運転
<稼働後の保守業務>
- 定期点検
- 故障対応、修理
- 部品交換
系統用蓄電池は長期運用が前提となるため、建設時の精緻な施工品質はもちろんのこと、稼働後の監視体制やトラブル時の迅速な復旧対応といった保守体制の重要性が高まっています。
市場運用の支援
蓄電所の運転開始後に、電力市場での取引などを支援・代行します。
主に「アグリゲーター」と呼ばれる専門事業者が、以下の業務を担います。
- 電力価格や電力需要の予測
- 収益を最大化するための充放電計画の作成
- 卸電力市場での売買
- 需給調整市場への応札
- 容量市場への対応
- 複数市場を踏まえた収益の最適化
- 所有者への運用結果の報告
蓄電所を保有する企業が、高度な専門知識を要する市場取引を自社だけで行うとは限りません。
運用会社が取引を支援・代行し、手数料や収益分配を得る事業モデルが確立されています。
系統用蓄電池事業へ参入する際の注意点
系統用蓄電池市場が拡大傾向にあるとはいえ、すべての企業や案件が必ず利益を得られるわけではありません。
市場制度の概要だけでなく、事業化の実務においてどのようなリスクがあるのかを把握しておく必要があります。
市場規模の拡大と収益性は別に考える
「市場全体が伸びているから、参入すれば自社も利益が出る」と考えるのは危険です。
市場規模の拡大と、個別案件ごとの利益はまったく別に考える必要があります。
参入する企業が増加すれば、優良な案件の獲得や市場取引における競争は激しくなります。
また、いくら市場で売上を確保できたとしても、初期の建設費や運用費が高止まりしていれば、最終的な利益は残りません。
さらに、系統への連系時期や導入した設備の性能によって参加できる市場の選択肢が異なり、得られる収益も変わってきます。
市場規模が拡大しても1案件当たりの利益率が自動的に上がるとは限らないため、自社の案件を冷静に評価することが重要です。
系統連系の可否や時期が事業性を左右する
案件の事業性を左右する最も重要な初期条件が「系統連系(送配電網への接続)」です。
いくら条件の良い土地や高性能な設備を確保しても、電力系統へ接続できなければ市場取引を開始できません。
事業化に向けては、主に以下の項目を確認する必要があります。
- 電力系統へ接続できるか
- 接続までに何年かかるか
- 電力会社から提示される工事負担金はいくらか
- 接続条件や出力制御の要件があるか
- 自社が希望する時期に運転開始できるか
また接続時期が遅れるほど、売上の発生も遅れ、事業計画に影響を及ぼします。
そして早期に運転開始できれば、現在の市場環境を利用できる期間が長くなる可能性はありますが、早く参入すれば必ず高い収益が得られると断定できるものではありません。
電力会社との協議状況を踏まえ、連系の確実性を慎重に見極める必要があります。
市場価格の変動により収益が変わる
系統用蓄電池の主な収益源となる卸電力市場や需給調整市場の価格は、日々変動しています。
現在の高い価格水準だけで長期的な収支を計算すると、将来の収益を過大評価してしまう恐れがあります。
市場形成の初期段階では高い収益を得られる可能性がある一方で、以下のような要因により将来の価格が下がるケースがある点にも注意が必要です。
- 参入事業者や市場への応札量が増えることによる競争の激化
- 競争による約定価格の下落
- 募集量や上限価格など、市場ルールの変更
事業を検討する際は、将来の参入増加や制度変更による価格下落の可能性も想定し、シミュレーションに組み込んでおくことが重要です。
収益と費用を踏まえて投資回収を見極める
事業への投資を回収できるかどうかは、売上だけでなく、事業期間中に発生するあらゆる費用を含めて判断する必要があります。
確認すべき主な費用項目は以下の通りです。
- 土地取得費または賃料
- 蓄電池やPCSなどの設備費
- EPC費用(設計・施工・申請費など)および工事負担金
- アグリゲーターへの手数料、O&M(保守)費用
- 保険料、融資の金利・返済
- 充放電による電力ロス
- 蓄電池の劣化に伴う将来の設備交換費
また複数の電力市場を組み合わせて運用することは、収益を確保するための有効な手段の一つです。
しかし、市場ごとに参加要件や設備の拘束条件が異なるため、複数市場に参加すれば必ず収益が安定するわけではありません。
設備性能や各市場の参加条件、将来の価格変動リスク、そして事業期間中の費用を総合的に踏まえて投資回収の可否を判断してください。
系統用蓄電池の市場規模に関するよくある質問
系統用蓄電池の市場へ参入を検討している法人や投資家の方から、よく寄せられる疑問にお答えします。
系統用蓄電池市場には今からでも参入できる?
はい、系統用蓄電池市場に今からでも参入できる事業機会は十分にあります。
市場は現在、初期段階から本格的な拡大期へと移行しており、2030年に向けて市場規模の成長が予測されています。
ただし、「今なら誰でも簡単に儲かる」というわけではありません。
市場が注目されるにつれて、条件の良い土地の確保や、電力網の空き容量(連系枠)の獲得競争は激しくなっています。
今から参入して収益化を目指すには、事業性の高い土地を迅速に確保し、実績のあるEPCやアグリゲーターと連携して、確実な事業計画を立てることが重要です。
系統用蓄電池への参入に必要な初期費用は?
初期費用は、低圧・高圧・特別高圧といった接続電圧の違いや設備の規模によって、数千万円から数十億円と大きく異なります。
以下の表に、2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会で公表された補助事業のデータをもとに、設備費約5.4万円/kWh、工事費約1.4万円/kWh(合計約6.8万円/kWh)を目安として、おおよその費用を蓄電容量別にまとめました。※
| 蓄電容量 | 設備費・工事費の目安(6.8万円/kWh換算) |
| 1MWh(1,000kWh) | 約6,800万円 |
| 2MWh(2,000kWh) | 約1.4億円 |
| 4MWh(4,000kWh) | 約2.7億円 |
| 6MWh(6,000kWh) | 約4.1億円 |
| 8MWh(8,000kWh) | 約5.4億円 |
| 10MWh(10,000kWh) | 約6.8億円 |
上記の試算はあくまで目安であり、正確な初期費用を示すものではありません。
系統用蓄電池事業の初期コストを考える際は、このような項目も考慮する必要があります。
- 土地取得費または賃料
- 土地の整地や伐採をはじめとする造成費用
- 電力会社へ支払う工事負担金や系統連系費用
- 各種申請手続き費用、融資などの諸経費
総投資額を正確に把握し、補助金や融資・リースの活用も含めて資金調達を検討する必要があります。
※参照:2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(案)|三菱総合研究所
系統用蓄電池の運転開始までにはどのくらいかかる?
運転開始までの期間は系統連系の状況や設備規模によって異なりますが、検討開始から稼働までにおおよそ1年程度かかるケースが一般的です。
大まかなステップと各フェーズの期間は下記の通りです。
蓄電池を設置するための条件を満たす土地を選定します。
並行して電力会社へ送配電網に空きがあるかを確認する「接続検討」を申し込みます。
電力会社から接続検討の回答を受領し、送配電網へ繋ぐために必要な工事費負担金の額を確認します。
提示された負担金を含めた総投資額をもとに、正式に事業化を進めるかを慎重に判断します。
蓄電池システムやPCSなどの主要機器をメーカーへ発注します。
機器の到着スケジュールに合わせて、現地での基礎づくりや設備の据付工事、電気配線などを進めます。
自社側の工事と電力会社側の連系工事が完了した後、市場取引を代行するアグリゲーターと通信や充放電のテストを実施します。
すべての安全が確認できた段階で、晴れて電力市場での運用開始となります。
市場価格が下がった場合も収益を確保できる?
電力取引の市場価格が下がった場合、収益が減少するリスクはあります。
市場価格は常に変動しており、「安定収益が確定する」「必ず儲かる」といったことはありません。
リスクに備えるためには、現在の高い価格水準だけを前提にするのではなく、価格下落を見込んだ保守的なシミュレーションを確認することが重要です。
運用を担うアグリゲーターは卸電力市場(JEPX)の価格差取引だけでなく、需給調整市場や容量市場など複数の市場を組み合わせて運用することで価格変動リスクを軽減し、収益の最適化を図ります。
アグリゲーターにより運用方法や収益シミュレーションが異なるため、複数社の提案を比較した上で委任先を選びましょう。
系統用蓄電池の市場規模まとめ
系統用蓄電池の市場規模は、調整力の需要の高まりや国による手厚い導入支援を背景に、2030年に向けてさらなる拡大が予測されています。
それに伴い、参入企業も増加傾向にあります。
またこの市場拡大によって、土地の開発や用地提供、設備供給、建設、市場運用など、多岐にわたる領域で新たな事業機会が生まれています。
しかし、「市場全体の拡大」と「個別案件の収益性」はまったくの別物です。
参入を成功させるためには、系統連系の可否や変動する市場価格、そして土地代や工事負担金、運用費用を含めた総事業費用を踏まえて、冷静に判断する必要があります。
系統用蓄電池事業は、土地の条件や系統連系の状況によって事業性が大きく異なるため、複数の事業者の提案やシミュレーションを比較したうえで参入を判断することが重要です。
チクデンでは、系統用蓄電池事業を検討する法人・投資家の方へ、条件に合ったEPCやアグリゲーターをご紹介しています。
相談先にお悩みの方や各社の提案を比較したい方は、お気軽にご相談ください。
